テスラ車で低速の衛星通信が可能に、自動運転車の遠隔操作支援

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米国時間8月25日に発表されたSpaceX(スペースX) / Starlink(スターリンク)とTMobile(Tモバイル)がSMS / MMSやその他の低速通信を普通の5G携帯端末で衛星と行う機能を全世界に展開するという話は、携帯電話の世界で話題となった。その後イーロン・マスクは、この機能はTesla(テスラ)のクルマからでも利用可能になると語った。



あまり詳しくはわかっていないのだが、説明を補足しておこう。

1. 発表された新機能は5G帯を使用するため、5G無線機能を搭載した新型テスラ車が必要になる。既存の車両に無線のアップグレードを行うことができるかどうかは不明だ

2. 2023年後半までは始まらないが、まだ稼働していないStarship(スターシップ)ロケットで打ち上げられる新しいスターリンク衛星だけが対象となる

3. 帯域はほとんどの地域で毎秒1メガビット程度に制限されている。電話機での利用はSMS / MMSに限定されているが、将来的には低帯域の機能が実現される可能性もある

4. 新しい衛星によってのみサポートされるため、しばらく接続は断続的なものになるだろう(とはいえ新しい衛星が頭上にやってくるのを待つことができるテキストメッセージには問題ないだろう)

5. 正式にはどうなるかはわからないが緊急通信時以外にこれを利用するには、テスラのプレミアムコネクティビティ(月額10ドル、約1375円)に加入する必要があるようだ

どのような場面で利用できるのか?


電話でもクルマでも、明らかに便利な機能の1つは緊急メッセージだ。道に迷ったり、人里離れた場所で故障したりしても、信号で助けを求めることができる。実際、すべての人ががT-Mobileの端末に限定されることなく、どんな5G端末でも実行可能であることを期待している、実のところ、緊急時には音声通話ができるようになるかもしれない。携帯電話の圏外にある場所で遭難した人の話は、もはや過去のものになるだろう。

しかし現状ではメッセージが送れること以外に、普段はどのような機能が使えるようになるかは不明だ。現在、車内でのセルラーデータ利用は、衛星から常時接続するには帯域が広すぎることが多い。利用シーンは、音楽・動画配信、衛星ビジュアルマップ、交通情報ライブ配信、ソフトウェアアップデート、ウェブブラウジングなどだ。現在の帯域幅でもより良いナビゲーションができる可能性もあるし、トラフィックデータは近隣地域の全員に送信されるため、うまく行える可能性もある。Netflix(ネットフリックス)を見たり、音楽をストリーミング再生したりすることはないだろう。
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翻訳=酒匂寛

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