Xboxの責任者はAIボットを使ったゲームの品質保証テストを夢みる

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「クラウド上でゲームのインスタンスを1万個立ち上げて、1万個のゲームを走らせ、AIボットを配置してひと晩中そのゲームをテストし、朝になったらレポートを受け取れるようにしたいんです。そうすれば、大きな変革がもたらされるでしょう」

ブーティのいうとおり、ゲームにおけるテストは信じられないほど大変で、私たちはずっと多くのビッグタイトルがバグだらけでリリースしているのを目にしている。それは必ずしも誰かが仕事を間違えたからではなく、数百万人のプレイヤーが最初の数時間から数日の間に、QAチーム全体が数カ月あるいは数年でできる以上の「テスト」時間をゲームの最終バージョンに対して費やしているからだ。このため、発売前の『Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)』のバグをキャッチできなかったことに対して、CDPRがテスターのせいにしているように見え、その真偽について議論が起こるなど不快な状況も生じている。しかし、規模の問題は現実だ。

しかし、AIが解決策になるのだろうか? それはさらに議論を呼ぶに違いない。人間的な側面としてはスタジオにQAテスターを増員し、給料を上げ、労働時間を抑制して、より機能的にバグを捕捉できるようにすることだろう。しかし、ブーティは、このプロセスの自動化を提案しているようだ。そしてもし、高品質のAI・QAテストシステムを投資するならば、QA業界の全体を失業に追い込む可能性があるように思われる。

まだ、このようなものが実際に意味のあるものとして存在するわけではない。しかし、ブーティの「私の夢」発言は、現在のQA従事者の窮状を考えると、やや問題があると受け止める人が多いだろうことは理解できる。また、彼がMidjourneyのようなプログラムが現在多くの人間のアーティストを動揺させている、AIの画像生成に言及したことは、比較対象として最適ではないかもしれない。

ブーティがこの発言を弁解するかどうか見届けよう。この話題の盛り上がりを見るとしそうではある。ただ、彼の最初の発言は、彼が可能ならこの先業界がどのような方向へ動いてほしいと思っているのかを強く物語っているものでもあるといえるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=Akihito Mizukoshi

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