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2022.02.01

NYタイムズが人気の単語ゲーム「Wordle」を買収、数億円で

Tada Images / Shutterstock.com

ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、ここ数カ月で爆発的な人気を博しているオンラインの単語当てゲームの「Wordle」を、その開発者であるジョシュ・ワードル(Josh Wardle)から購入したと発表した。

NYTは1月31日のプレスリリースの中で、ゲームのフォーマットを変更せず、新規および既存のプレイヤーに対して無料で提供すると述べている。同社はこのゲームを、「7桁台前半の価格」(最大500万ドルと推定可能)で取得したと述べている。

Wordleはブラウザゲームとして無料提供されている単語を当てるゲームで、英単語を入力して得たヒントを頼りにその日のお題となっている5文字の単語を当てる内容になっている。開発者は、もともとこのゲームをパートナーへのプレゼントとして制作し、10月に公開していた。

ブルックリン在住のソフトウェアエンジニアであるワードルによると、このゲームの1日あたりの利用者数は、11月1日には90人だったが、1月2日には30万人以上に急増したという。

NYTが今後、このゲームを課金モデルで提供するかどうかは現時点では不明だが、ゲームやクロスワードパズルは、同紙のサブスクリプション収入のかなりの部分を占めている。

NYTは昨年11月、第3四半期に獲得した45万5000人の新規入会者のうち13万5000人が通常のニュース記事ではなくゲームや料理、商品レビューのコーナーからの加入者だったと報告していた。

同紙はフォーブスからの問い合わせに対し、このゲームの将来的な計画はまだ決まっていないとしながらも、次のようにコメントした。「当社は、既存の顧客に新たな価値を提供すると同時に、ワードゲームが好きな新たな顧客に当社のゲームを紹介することに注力していく。今のところ、このゲームは無料でプレイできる」

今回のNYTによる買収に先立ち、Wordleの人気を利用しようとする開発者たちが同名の模倣ゲームを作成してアップルのアプリストアに掲載して、課金モデルや広告モデルで収益化を図っていた。

アップルは既にそのような模倣アプリをストアから削除しているが、ある開発者は、模倣ゲームから得ていた収入をツイッターで自慢していた。彼はその後、同じフォーマットで名前を変えた別のアプリを作成し、ゲームの結果や日々の収入を公開している。

編集=上田裕資

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