答えはノーだ。私はASINを、自分が死ぬまでは足りなくならないように作った。私はまだ死んでいない。2016年の『シュミルコ(前述のアーチスト、ウィルコのアルバム)』の予約販売分も、はじめの2桁はB0だった。Cに移るのはまだまだ先だし、数字が不足するのはさらにはるか先の話になる。
だが、アマゾンがAISNを消費するスピードは確実にアップしている。
同一商品でも消費期限ごとにASINが違う!
その主な2つの理由について以下考察してみよう。
まず1つ目。1997年(あるいは1998年)、たとえばTシャツの場合、サイズ別、色別にそれぞれ個別のASINが必要なのは当然だった。だが当時の私は、アマゾンが消費期限のある商品まで扱うようになるとは夢にも思っていなかった。想像力の欠如だ。
今、アマゾンは同一の商品でも消費期限ごとに新たなASINを付けている。だから、生鮮食品、たとえばレタスを販売する場合、非常に多くのASINが必要になる。
そして2つ目として挙げられるのは、販売者が「地域」や「マーケット」ごとに違うASINを使えるという点だ。これも、ASINの消費のスピードを加速させる要因になり得る。ほかにも、私が気づいていない要因があるにちがいない。
(ちなみに、36進数では C000000000-B000000000 = 1000000000 となり、これを10進数に変換すると101559956668416になる。この数字の大きさはピンとこないかもしれないが、少なくとも米国の国債発行額より大きいのは確かだ。)
年間1000億超のリスティング中、不審なものはなんと100億!
アマゾンは最近、詐欺、偽造品などへの対処法に関するレポートを公開した。そこには、驚くべき統計も含まれていた。
「2020年、われわれは悪質なアカウントの作成を600万件以上阻止し、悪徳業者による出品を未然に防ぎ、100億を超える不審なリスティングをブロックした」
年間1000億を超える正規のリスティングに対し、怪しいリスティングが100億もあるとは驚きだ。それらに割り当てられたASINがその後ブロックされたら、そのこともASINの使用のスピードを早めることになるだろう。
とにもかくにも、アマゾンのような巨大ECのためのカタログと独自のID(この場合はASIN)を作るのは、本当にきわめて困難な仕事だったのだ。
ターゲット、ウォルマートは、「ASIN」の代わりに何を使っているか?
では、他のECサイトでは「ASIN」に代わるものを使っているのだろうか?ターゲットとウォルマートの例を見てみよう。