数年で1000億個?アマゾンの「10桁商品番号」が足りなくなる日は来るか

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現在、アマゾンで販売されている書籍以外の全商品の通し番号として、10桁の番号「ASIN」が使われていることに気づいているユーザーも多いだろう。

「Amazon Standard Identification Number」の略であるこの識別番号のなりたちについて、前編:10桁に隠れたドラマ アマゾン全商品「通し番号」はいかに誕生したかに続き、「ASIN」の当の開発者でもあるレベッカ・アレンによる「inventlikeanowner.com」からの記事を翻訳転載でご紹介する。なおアレン氏は、1996年から1998年までアマゾンのソフトウェア・エンジニアを務めた。


同じ商品でもキンドル版、オーディブル版では「40億ASIN」も離れている!


復習しよう。

前編で例に使ったブラッド・ストーンの最新著書、”Amazon Unbound: Jeff Bezos and the Invention of a Global Empire"

では、ASINの情報は以下のとおりだった。

キンドル版のASIN:B08TB1TP7H

オーディブル版のASIN:B08V9DZZHG

これら、キンドルとオーディブルのASINはどれだけ離れているだろうか?

──計算してみよう。

まず、「B0」は無視するとしよう。その部分の結果は0になるし、それを外せば扱う数字がいくらか少なくなるからだ(BがCに変わったら無視することはできなくなるが、今の計算では無視していい。そして「8」は、これまでにどれだけの数のASINが割り当てられたかわかるように考えに入れておこう)。

”Unit Convereter”(グーグル検索で見つけてたまたま選んだだけなので、ご注意あれ。私は2016年にも同じサイトを使用している)を使って10進数に変換すると、以下のようになる。

オーディブル版:8V9DZZHG=694961274724

キンドル版:8TB1TP7H=690708193757

ひと目で、2つの数字には「大きな乖離がある」と感じないだろうか。それもそのはず、2つの数はなんと、「40億ASIN」も離れているのだ!

さらに数字自体も非常に大きい。2016年にこの計算をしたとき自分のブログに書き留めた数は、はるかに小さかった。


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ここ8〜9年でアマゾンが振ったのは「1000億」ASIN


そのときはオルタナティヴ・ロック・バンド「バンウィルコ」のアルバム『シュミルコ』(ASIN=B01IO4AKWG)を使った。変換後の数字は117690453020だった。

自分がいつ「ASIN」を作ったか、正確には覚えていないが、1998年にはアマゾンを辞めているから、それ以前なのは確かだ。プラス、アマゾンに入って最初にしたことではないから1996年ではないのも確かだ。

つまり、1997年か1998年のどこかの時点から2016年までのあいだに、アマゾンは1000億のASINを使ったことになる。さらに2016年以降、現在までに、少なくともその6倍を使っていると考えられる。

数字が足りなくなるのでは? そんな疑問がわく。
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翻訳・編集=寺下朋子/S.K.Y.パブリッシング・石井節子

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