ビジネス

2022.09.06

崎陽軒から「超シウマイ弁当」 キリンビールで修行した新社長の妙手

崎陽軒新社長 野並晃氏 撮影=曽川拓哉


コロナ禍での気づき、通販もローカル


──このコロナ禍で学んだことは何でしょうか?

自社商品の売上が「人の移動」に伴っているということを、まざまざと実感させられた2年間でした。

その一方で、矛盾するようですが、地元の方々においては変わらず「生活」の中で愛されている、と感じることができた期間でもあったんです。実はこの2年で通信販売も売り上げを伸ばしているんですが、通販で購入してくださるお客様は、実は神奈川県が中心なんです。そんな体験から、これからも、「横浜を中心とした地元への取り組み」はぜひとも続けていかなければならないと強く感じました。

また、通信販売やグッズ、ロードサイド店など、この2年間で日の目を見たものもありました。実は従来からの取り組みでしたが、昨今の時代背景から、急に注目されるようになったんです。

こんなふうに、世の中の変化で急にスポットライトの当たる場所が変わることがある。だから「常に種を撒いていく」こと、今売れていないからといって「取捨選択しすぎない」こと、たとえ今うまくいってなくても「やり続ける余力を持ち続ける」必要があるということを学びました。


>後編 「崎陽軒ムック本」もあるシウマイ弁当 新社長の食べ方流儀 に続く

野並晃(のなみ・あきら)◎1981年8月30日生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、キリンビールに入社。2007年4月に崎陽軒に入社し、2012年5月には取締役に就任。2019年1月から1年間は横浜青年会議所の第68代理事長に就任。2021年1月から1年間、日本青年会議所の第70代会頭を務めた。

市島晃生(いちじま・てるお)◎1966年神奈川県生まれ。テレビディレクター、演出家。「食べ方学会」会長として同人誌「食べ方図説」発行人も務める。365日、不規則勤務を強いられる放送業界で苛酷な業務をこなしがら、今日の仕事と明日の充実のため、ベテランテレビマンならではの「一番おいしい」「完食」の奥義を追求し続けてやまない。グルメ、バラエティー番組を中心に「料理の鉄人」「ウンナンのホントコ」「マジック革命!セロ」「極皿食の因数分解」「奇跡の晩餐〜ダイニングアウト物語」などを担当。著書に『絶対にうまい食べ方』(2014年、中経出版刊)。なお野並晃社長のシウマイ弁当食べ方詳細は、食べ方学会の新刊同人誌「崎陽軒シウマイ弁当 ゲノム解読完全データ」にも。食べ方学会

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文=岡田麻衣子 編集=石井節子 写真=曽川拓哉

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