ビジネス

2022.09.06

崎陽軒から「超シウマイ弁当」 キリンビールで修行した新社長の妙手

崎陽軒新社長 野並晃氏 撮影=曽川拓哉


「地域を盛り上げる」ローカルブランドとして


──話は戻りますが、2020年代、崎陽軒はローカルブランドであり続けながら、関西や台湾に進出したり、イベントやグッズ、ツイッターなどもやられたりしている。今後はどうしていきたいか、お聞かせいただけますか。

コロナ禍の2年間で、世の中はこれから、さらに想像を絶する急激な変化をしていくことを感じました。崎陽軒には114年の歴史がありますが、これからも、想像できる世の中の変化にはもちろん、想像外の変化にも対応していかなければなりませんので、「世の中の変化に合ったローカルブランド」でありたいと思っています。

2021年から販売している「関西シウマイ弁当」も、横浜で売ってるものを全国展開しているわけではなく、関西仕様でプロデュースしたものです。崎陽軒は「地域を皆様と一緒に盛り上げる」会社なので、その「盛り上げ」を他の地域の皆様ともしてみたい。それでこそ、「ローカルな取組み」が積み重なるのではないかと思っています。

また、昨年は崎陽軒初代社長の出身地である栃木・JR鹿沼駅前にシウマイ像が完成しました。また、3年後に北陸新幹線が福井県敦賀市にまで伸びるにあたり、やはり「地域を盛り上げる企画」の一環として、福井県とタイアップをさせていただくことになりました。そんなふうに、横浜以外の場所でも、ローカルブランドの取り組みを行っていきたいですね。

──福井のお弁当は「関西シウマイ弁当」のように、福井ならではのものが入ってるのでしょうか?

そうですね。やはり「地元の方に愛される」商品を作りたいので、どうやったら地元の方々に愛される商品ができるだろうか?ということを考えています。

──ニコニコ超会議では「超シウマイ弁当」をプロデュースしたり、「シウマイ」ではなく「ギヨウザ」スープ選手権を開催したり。公式ツイッターやグッズなどもありますね。

今は情報発信のやり方がたくさんあるので、世の中のやり方に合わせ、シウマイやお弁当をはじめとして、お客様が常に崎陽軒を身近に感じていただける、認知されるポジションになりたいと考えています。
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文=岡田麻衣子 編集=石井節子 写真=曽川拓哉

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