ライフスタイル

2022.09.03 18:00

女性は誰しもがかかりうる「子宮頸がん」。予防のためにできること


対象年齢を超えた人や機会を逃した人、男性のHPVワクチン接種は必要?


──ちなみに、私は対象年齢の時期にまだHPVワクチンの公費接種がなかった世代なんですが、今からでも自費で接種をしたほうがいいんでしょうか?
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HPVワクチンが定期接種となる前の世代については、今後の感染を予防するためにはワクチン接種は有効といえます。ですので、まだこの先あらたなパートナーができる可能性がある場合は接種する意義があります。ただ自費での接種になるので、4価は合計約5万円、9価は合計約10万円ほどの費用がかかります。個々のライフスタイルと費用対効果の考え方次第になりますね。ただし、2年ごとの子宮頸がん検診はみなさん受けてくださいね。

日本でHPVワクチンは2009年に承認され、2013年から小6~高1の女の子を対象として定期接種がスタートしたんですが、副反応疑いの報道を受けて、国は「積極的推奨」を8年以上もの間差控えていました。そのため、予防接種のお知らせが長らく対象者に届いていませんでした。なので、接種の対象であることを知らずに対象年齢時に接種をしていない方が非常に多いです。接種率はずっと1%未満でしたから。

慎重に安全性を確認し、厚労省による積極的勧奨は再開されました。お知らせが届いていなかった世代への救済処置として、1997~2005年度生まれの女性を対象に2022年4月から3年間は無料でHPVワクチンの接種ができるようになりました。すでに推奨年齢を過ぎていますので、対象になる方はなるべくはやめに接種することをおすすめします。以前に1回、もしくは2回だけ接種して接種を中断してしまった人は、以前接種したのと同じ種類のHPVワクチンを、残りの回数だけ接種します。
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──ちなみに、性行為で感染することを考えると、男性もワクチン接種をしたほうがいいかと思うんですが、どうなんでしょう?

おっしゃる通り、男性も同じように性交渉でHPVに感染しますから、男性もかかる肛門がんや中咽頭がん、尖圭コンジローマを発症することもあります。ワクチンを接種することで、ご自身の病気の予防にもなりますし、将来のパートナーが子宮頸がんになるリスクを下げることにもつながります。

そうしたことから、アメリカやオーストラリアでは、男性も定期接種の対象となっています。日本でもまずは女子の接種率を上げて、ゆくゆくは公費で男子も接種できるようにすることと、より有効な9価も公費で適応されるようにすることが目標ですね。


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文=徳 瑠里香 イラスト=遠藤光太

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