「42」のモットー、誕生した経緯、予期せぬコロナ禍での学習方針転換、また、日本でも未だにマイノリティーである女性エンジニアの育成や、日本におけるエンジニア教育の改革を通じた社会のダイナミズム形成について聞いた。
42とは──。万物への究極の問いに対する答え
──本日はインタビューの機会をありがとうございます。まず、今回東京にいらしてどのような印象を持たれましたか?
実際にキャンパスを見て、とても素晴らしい学習設備と環境が揃っているにも関わらず、学生の数が少ないのでやや残念に思いました。でも、それはコロナ禍の状況の中で仕方がないことだと思いますし、一時的な問題だと確信しています。
DMM.comをはじめ、数多くの企業からの支援がある中、「42Tokyo」は現在の日本社会の課題の一つでもある、労働人口不足、中でも手薄なIT関連人材の問題を解決する大きな牽引役を担うのではないかと期待しているところです。
──では、まず最初に「42Tokyo」が掲げるコンセプトや「42」の学校名の由来についてお話していただけますか?
「42Tokyo」は学歴、職業、年齢、性別などに関わらず、新しい未来の構築に向かって挑戦したい人たちに質の高い教育を提供するべきだというコンセプトの下、2020年6月に開校されたフランス発のエンジニア養成機関の東京キャンパスです。そして、その実現のため「学費完全無料」「24時間利用可能な施設」「問題解決型学習」などの教育環境が用意されています。
ちなみに本家本元の「42Paris」は2013年、フランスの実業家によって設立されています。「42」という名称はダグラス・アダムス著の銀河ヒッチハイク・ガイドが元になっていて、生命、宇宙、万物についての究極の問いに対する答えが「42」だったということに由来しているんです。