ソーシャルイノベーションアワードは、GATARIのMRプラットフォーム
東京大学発のスタートアップGATARI(ガタリ)は、MR技術を活用したプラットフォームを開発。施設データを活用して、施設内でスマートフォンのカメラをかざすことで、自身が空間のどこに位置しているかを高精度で探知。施設内を歩いて動くと、空間にあらかじめ配置されている音声コンテンツを楽しめる。
移動のサポート的な役割とは違った、エンタメ要素の高いサービスは、視覚に障がいのある人の外出において、新たな楽しみが広がる画期的なサービスとなるはずだ。
すでに博物館やテーマパークで導入されているスポットもあるそうで、障がいのあるなしに関わらず、ぜひとも体験してみたいと思わせるサービスだった。
資料提供:GATARI
審査員コメント:改めて10年先を見据えつつ、顕在化していない課題も含めて、どうやっていくのかという視点がソーシャルイノベーションアワードの需要だと思います。「Auris」には新たなイノベーション施設を作ったり、また違った情報を提供できるという拡張性も感じました。様々なレイヤーの方々に、10年後のよりよい社会にみなさまの技術が取り込まれればいいなと思います。
GATARI代表取締役CEO 竹下俊一氏の受賞コメント:
こういった賞をいただけたことを嬉しく思います。よりよい社会、よりよい未来をより早めることに貢献できればと思います。
採択4企業もイノベーティブなアイデアが勢揃い
惜しくも受賞は逃したが、残りの4企業もどれもが自分たちの特色を発揮しており、実証実験を重ね、近い将来に実現するもの、すでに導入されているものまであった。
視覚に障がいのある人の情報取得漏れを防ぐ「Alterly」/クラスリー
資料提供:クラスリー
視覚に障がいがある場合、音声のないコンテンツにアクセスした際、新鮮な情報を取得しづらいという課題がある。これはナレーターの人手不足、従来のナレーション収録コストの問題によるものだ。
そんな問題を解決するのが、AI技術で言葉をまるで人間のように読み上げるソフト「Alterly」だ。プロの声優やナレーターの声を機械学習したAIオルターが、限りなく人に近い合成音声を自動作成する。
当日のプレゼンテーションでは、二度テキストが読み上げられ、それがAlterlyで作成された音声か、人間が読み上げた音声かを当てるクイズがあったが、どちらが本物の人間の声なのか、聞き分けができないほどのレベルでほぼ遜色ないことに驚いた。