ウェルビーイング効果が実証。野沢温泉村「スポーツワーケーション」の魅力

写真提供=野沢温泉村観光協会/野沢温泉スキー場

写真提供=野沢温泉村観光協会/野沢温泉スキー場

コロナ禍を経験した現代のビジネスパーソンにとって、身体的・精神的・社会的に健康で満たされた状態である「ウェルビーイング」を高めることは、良い仕事をする上で重要課題の一つとなりつつある。

そんな中、長野県野沢温泉村を「ウェルビーイングビレッジ」として活用しようというプロジェクトが動き出した。スポーツもバケーションも仕事も充実させる、新時代の働き方を紹介しよう。

スポーツワーケーションで、ウェルビーイングを高める


2022年3月、野沢温泉村と一般社団法人野沢温泉観光協会、東日本旅客鉄道株式会社長野支社、株式会社日本総合研究所の4者が「野沢温泉村のウェルビーイングビレッジ推進における連携協定」を締結した。村の豊かな自然やスポーツ環境を活かした「ウェルビーイングビレッジ」を目指すという。

野沢温泉村は、国内最大級のスキー場を有する他、最近ではトレッキングや、マウンテンバイクで山の上から山麓まで下るダウンヒルなどが出来る場所としても人気となっている。

一年を通して恵まれたスポーツ資源と、近年脚光を浴びているワーケーション(ワーク x バケーション)を融合させた「スポーツワーケーション」ができる場所にして、訪れる人たちのウェルビーイングを高めようというわけだ。

「野沢温泉村のウェルビーイングビレッジ推進における連携協定」の締結式
「野沢温泉村のウェルビーイングビレッジ推進における連携協定」の締結式

集中力や創造性がアップ


なぜこのプロジェクトに野沢温泉村が選ばれたのか? その理由を日本総研リサーチ・コンサルティング部門の佐藤俊介氏はこう語る。

「野沢温泉村は人口が約3500人と小さい村で、村のどこにでも歩いて移動できてしまうほどコンパクトにまとまっています。それでいてスポーツができる環境が充実しているので、スポーツと生活がものすごく近い環境にあることが魅力の一つです。その他にも小さな村の中に13もの共同浴場があることや、豊かな自然があること、食べ物が美味しいなど、ウェルビーイングを高めるには充分な要素が揃っていました」

協定の締結に向けて、2021年の3月には実証実験が行われた。東京と大阪の企業4社から約20名のビジネスパーソンが参加。滞在期間中の行動は基本的には自由だが、ウインタースポーツを1日最低1時間程度はしてくださいというお願いをしていたという。

「スキー場のメインのインフォメーションセンターの会議室をお借りして、シェアオフィスにしました。皆さん、普通に会社に出社するようにインフォメーションセンターに来て、仕事を始めます。その後は、各自が好きな時間に着替えて、1、2時間スキーをしたら、また戻ってきて仕事をするといった感じです。朝イチで滑る方もいましたし、午前中はずっと仕事をしていて午後からスキーをする人など、皆さんのやりやすい形で過ごしていただきました」(佐藤氏)

この実験をメンバーを入れ換えて複数回行ったところ、ウェルビーイングが高まったという結果が出たという。
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文=濱中香織(パラサポWEB) 写真提供=野沢温泉村観光協会/野沢温泉スキー場

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