企業と街 日本で広がるウェルビーイングビジネスの共通点

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現在、日本のウェルビーイング関連ビジネスの軸となっている2つの領域は、そこで働く人たちや暮らす人たちのウェルビーイングの実現を目指していますが、その支出を負担しているのは、個人ではなく、企業や行政などの事業者です。個人が自分のウェルビーイングのために、自らの財布を能動的に開いているわけではありません。いわば、受動的なウェルビーイングです。

ウェルビーイング経営がどれほど従業員のことを考えていたとしても、ウェルビーイングな街づくりがどれほど住む人たちのことを考えていたとしても、その企業や街を選ぶかどうかは、その人次第。自分のウェルビーイングは自分で決めるということになります。

受動的なウェルビーイングに対して、これを主体的なウェルビーイング、「個のウェルビーイング」とすると、私は、「個のウェルビーイング」にこそ、広大なビジネスチャンスがあると感じています。



ウェルビーイングは、「自分らしく生きる時代」へと価値が転換することを意味しており、個人の生き方に直接関係します。体と心、そして社会との関係性という3つの要素を考えると、ありとあらゆる業界、業種が、個人に対してアプローチが可能になります。

どうすれば、「個人」にウェルビーイングのために自己投資してもらえるか。それは、いかに企業が、財布を開きたくなるプロダクトやサービスをデザインできるかにかかっています。アメリカでは最新のテクノロジーがそのプロダクトやサービスにいかんなく活用されており、ウェルビーイングビジネス急成長の原動力となっています。

日本においても今後「個のウェルビーイング」の領域のさまざまなビジネスが立ち上がることが期待されます。そこには限りない成長ポテンシャルを秘めた新市場があることは間違いありません。

文=藤田康人

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