転売利益のためではなく、「自分への投資」に選ぶべき本命時計とは?

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ここが、厳しい目をもつ御仁との対面において最低限クリアするべきビジネスアタイアだとすれば、そこから先は腕時計を着ける人の自己表現にしてこだわりの部分となる。つまり、どのブランドのどのモデルを選ぶかというところだ。

もしもあなたが、身に着ける服や持ち物によって悪目立ちすべきでない堅めの職業に就いているというのなら、例えば、グラスヒュッテ・オリジナルの「パノマティックカレンダー」はまたとない格好の選択肢となるだろう。



なかでもアニュアルカレンダー、ムーンフェイズ、パノラマデイトを備えた最高峰プラチナモデル「パノマティックカレンダー プラチナリミテッド・エディション」は、現代生活のニーズに合わせて簡単に操作、着用できる複雑機構を目指して開発された新キャリバー「92-10」を搭載。普通の相手には、「どこのブランドなのか分からないが、趣味の良い理知的な腕時計」とでも見えるであろうか。

だが審美眼のある相手には、グラスヒュッテ・オリジナルの十八番であるアシメトリックなダイアルデザインや3/4プレート、エレガントなグラスヒュッテリブ仕上げなど、歴史的なデザイン要素が幾つも見出されることだろう。「スイスウォッチではなく、なぜゲルマンウォッチを?」など、腕時計をきっかけに話が弾むような、感性の通じ合う仕事相手と出会えたとすれば、それはなんと幸福なことだろう。

あるいはもしもあなたが、より自由なドレスコードで仕事ができるクリエイティブクラスだとしたら。あるいはヴァカンスに海辺のリゾートを訪れ、優雅な休日を過ごすエグゼクティブだとしたら。例えば、グラスヒュッテ・オリジナルの「SeaQ」シリーズをお薦めしたい。



ゲルマンブランド初のダイバーズウォッチとして、もともとは1969年に開発されたモデルをルーツにもつ「SeaQ」は、20気圧(200m)防水という本格的な防水性能を備えながらも、佇まいはあくまでスタイリッシュでモダン。なかでもレッドゴールド製ケースをもつ最新モデルは、そのキャッチコピーである「タキシードに身を包んだ冒険家」という世界観にぴったりの、洗練されながらもタフな存在感を放つ。

大胆さと繊細さを併せもつこの種の1本をグラスヒュッテ・オリジナルから選ぶという審美眼の、なんと稀にして確かなことか。そして、買う前からリセールバリューを気にするような、ビジネス感覚に長けた御仁と違い、流行におもねることなく自分の感覚で美しいと感じるものに、純粋たる自己投資として出資できる潔さよ。そんな選択肢を、今回、このコラムを通じてぜひ検討いただけると幸いである。

文=大野重和

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