テクノロジー

2022.07.20 21:00

アップル「ヘルスケア」機能の5つの強み 使いこなしの参考にもなる総合レポート公開


アップルは2019年以降、デバイスのユーザーが自らの意志によって、自身のヘルスケアデータを研究調査のために提供できるプラットフォームとして「Research」アプリを米国で提供している。「心臓」に「聴覚」および「女性の健康」にフォーカスした研究調査にも数々の実績を築いてきた。現時点では米国のみで公開されているアプリだが、日本でも同様のフレームワークを応用するかたちで慶應義塾大学病院が、Apple Watchを利用した臨床研究Apple Watch Heart Studyを2021年に実施して成果を挙げている。


Researchアプリを活用した心臓に関する研究調査も米国では多くの成果を挙げている

ユーザーが常時身に着けて使うウェアラブルデバイスであるApple Watchの場合、そのヘルスケア機能がユーザーの人命救助に貢献した事例も日々数多く寄せられているという。アップルのCOO(最高執行責任者)であるジェフ・ウィリアムズも、レポートの中で「今後もApple Watchがユーザーのインテリジェントなガーディアン(守護者)として立派な役割を果たせること」をヘルスケアの開発目標として掲げている。


AppleのCOOジェフ・ウィリアムズもレポートにコメントを寄せている

3. アプリやサービスが充実している


過去8年間で、広く多様性に富むユーザーを巻き込んだAppleによるヘルスケアのエコシステムが確立されたことで、多くの外部デベロッパたちもまた独自のフレームワークであるHealthKitによりアプリやサービスを開発し、積極的に輪の中に加わっている。ユーザーの目線から見れば、自身が期待する用途に合うヘルスケアのアプリやサービスが充実することが、Appleのデバイスやサービスを選ぶ大きな「理由」にもなる。

4. 医療コミュニティと密接に連携している


アップルはさまざまな医療コミュニティの支援にも力を入れている。結果、医療機関や保険会社の中には独自のウェルネスプログラムを立ち上げ、その中にヘルスケアのテクノロジーを組み込み、ユーザーの健康管理増進を助けるプレミアムサービスを提供する事例も増えつつある。2022年現在、Apple Watchを活用する55のプログラムが17カ国で実施され、100万人を超えるユーザーがサービスを利用しているという。レポートの中ではPaceline、Vitality Active Rewards、LumiHealthの活動が紹介されている。
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編集=安井克至

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