テクノロジー

2022.07.20 21:00

アップル「ヘルスケア」機能の5つの強み 使いこなしの参考にもなる総合レポート公開


5. 安全なプラットフォームである


ヘルスケアとフィットネスの領域においてもアップルはユーザーの「プライバシー」を最も重んじている。アプリに集まるユーザーのヘルスケアに関わるデータはすべて暗号化される。スムーズな緊急救助を目的とするMedical ID以外、iPhoneがロックされている状態でユーザー以外が許可なくデータにアクセスすることは不可能だ。iCloudに同期するデータもまた、サーバーにある状態からデバイスとの通信時まですべて高度に暗号化され、盗み見られることがない。

ヘルスケアアプリのデータは、ユーザーが許可しない限りサードパーティーのアプリにも共有されない。自らの大切なデータを誰と、どのように共有するか、ユーザーが自身で決められるセキュアな仕組みとルールを整えることにアップルは長年に渡って腐心してきた。高度にセキュアなプラットフォームが、多くのユーザーだけでなく医療関係者やデベロッパにも認められてきたことが、健全なエコシステムの拡大を後押ししてきた。

さらに競争が激しくなるヘルスケアのテクノロジー


アップルは秋に次期iOS 16、watchOS 9を無料のソフトウェアアップデートとして公開する。ヘルスケアに関わるものでは「服薬」「睡眠ステージ」「心房細動履歴」をはじめとする17の新機能が追加され、200前後の国と地域で利用可能になる。


watchOS 9/iOS 16に追加される「服薬」機能。日々服用する薬を登録しておけば、設定した時刻にリマインダーを表示する。本項では取材に基づく特別な許可を得て、watchOS 9パブリックベータの画面を紹介している。正式リリース時にはユーザーインターフェースが変更される場合もある

今回公開されたレポートが多くのユーザーの目に触れ、さまざまな機能を使いこなすためのマニュアルとして役に立つこともあるだろう。英語版に続き、日本語版もAppleのサイトに公開されるので、一読をおすすめしたい。

秋にはライバルであるGoogle(グーグル)が初の純正スマートウォッチ「Google Pixel Watch」を発売する。2021年にグーグル傘下のパートナーとなったFitbit(フィットビット)も、長年に渡り培ってきたヘルスケアに関する知見をWearOS 3に取り込み、より洗練されたサービスを提供する。アップルとグーグルGoogleによる競争も一段と熱を帯びるだろう。

いまだコロナ禍は予断を許さない状況が続いているが、その一方で経済活動を再開させながら、従来のオフィスワークや対面形式でのミーティングを日々の働き方の中に再構築することも求められている。個人がヘルスケアのテクノロジーを上手に活用しながら、自身の健康を維持増進することもまたこれまで以上に大事なことになる。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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