アップルによる「ヘルスケアの強み」とは
アップルは2014年に、iPhoneユーザーが自身の健康に関連するさまざまな情報を記録管理できるようにiOS標準のアプリとして「ヘルスケア」をリリースした。続く2015年にはApple Watchを発売。iPhoneとの両輪により、ユーザーのヘルスとフィットネスのためにさまざまな機能や、アプローチを提供してきた。
ウェブなどを通じてアップルが公開しているレポート「Empowering people to live a healthier day」には、同社が現在、さまざまなデバイスを通じてユーザーに提供するヘルスケアのサービスが網羅されている。このレポートは、iPhoneやApple Watchのユーザーも、馴染みのないヘルスケアの機能を見つけて、役立てるためのガイドとしても使い勝手が良い。
アップルが公開したヘルスケアとフィットネスの総合レポート「Empowering people to live a healthier day」。iPhoneとApple Watchを使って、いまどんなことができるのか全体像が把握できるガイドにもなる
レポートにはアップル独自のヘルスケア、フィットネスのテクノロジーやサービスのどこに「強み」があるのか、いくつかの指標が示されている。筆者が読み解いた「5つの要点」を紹介しよう。
1. 科学的根拠に基づく信頼性の高いテクノロジーである
すべてのテクノロジーが「科学的根拠」に基づいて開発されていることをアップルは強調している。ある機能やサービスを開発する際、アイデアの起点は生活の知恵や文化・風習に基づくものであったとしても、ヘルスケアのプラットフォームに組み込まれるまでに科学的な検証が繰り返され、テクノロジーに高められる。
2022年の夏時点、アップルのヘルスケアアプリは150以上のデータタイプをユーザーに提供している。これらがすべて科学的アプローチを経て生まれたテクノロジーから獲得される信頼性の高いデータばかりであるという。アップルはその証左として、信頼性の高いデータを基点にサードパーティのデベロッパがHealthKitのフレームワークを介して開発を盛んに行っていることや、後述する医療コミュニティとの連携が拡大していることを挙げている。
2. ユーザーの日常生活に近い多様性に富んだデータである
iPhone、Apple Watchは各々が属するカテゴリにおいて高いシェアを獲得するデバイスだ。ゆえにデバイスを通じて集まるヘルスケアのデータにも多様性が現れる。