スマトラ、SOSを支援してきた経緯
地球上に存在する様々な地域や生物の中から、スマトラ島やオランウータン、彼らを保護するSOSを支援してきた経緯について、黒澤氏、Pink氏は次のように語る。
黒澤氏:生物多様性や自然環境の再生を重要視してきた当社の活動においてアフリカ・ケニアの砂漠化が進む地域や、渡り鳥の通り道にある塩田などを支援してきたなか、インドネシアが持っていた豊かな生物多様性が近年大きく喪失し、生物多様性のホットスポットと呼ばれる状態にあるという事実に出合いました。
また、当初、私たちの商品の原材料となるパームオイルを持続可能な方法で使用することが出来るのか、という懸念がありました。スマトラを訪問した当社のメンバーが、現地で生物が減っていることの危機感を体感し、長年の開発を経て、パームフリーの石鹸を作ることに成功しました。
Pink氏:支援対象地域を選ぶにあたり綿密な分析を行った結果、スマトラは生物多様性の豊かさと、炭素吸収源としての機能が著しく優れているということが分かり、支援に至りました。SOSとは15年にわたって関係があり、支援開始当初は、パームヤシの畑に入ってしまったり森林火災の被害にあったりしたオランウータンを保護して森に帰すという彼らの活動を支援していました。
また、以前は現地での農法が森林伐採につながっていたという現状があり、農作物の多様化や、その土地に適した環境再生型の農法を提案することにより、熱帯雨林を守る活動を共に継続しています。
時間の流れや環境の変化と共に、彼らの行動も変容しており、常に時代に必要とされるアクションをとり続けているのは一緒に活動をしていて誇れるところです。私たちは常に、現場で活動している人達を支援することを大切にしています。
SOSスマトラキャンペーンを通じた支援活動が目指すこと
同キャンペーンは、LUSHとSOSとが共同で行っているものであり、寄付先はOrangutan Information Center (以下OIC)というNGOである。
キャンペーンが保護対象としている生物は、生態系に大きな影響を与えると定義される種類で、オランウータンやスマトラタイガーなどを含む複数種に及ぶ。代表例としてオランウータンを挙げると、2016年時点で約14000頭が野生に生息しているものの減少が続いている。
焼き畑や森林伐採などの森林への環境負荷を伴う農法によって森が失われ続けると、さらなる減少につながる。