このような生物多様性の喪失を食い止め、環境を再生させるために同キャンペーンを通じてLUSHが目指していることを伺った。
黒澤氏:SOSスマトラキャンペーンで販売しているバスボムに使用されているダークパチュリオイルの主要な生産地は、Gayo Lues(ガヨルス)という地域で、ここでは伝統的に焼き畑農業が行われていました。野生生物が多く暮らす地域に近いため森林火災の要因にもなりやすく、火災によって森と森とをつなぐ回廊が失われます。また、身を隠す場所を失った動物たちが密猟者に狙われることにもつながりました。
そのような状況を改善するため、焼き畑農業に替わる、地元の生物と共存可能な農業に変えていくための研修を行ったり、その土地での育成に適した農作物の苗を提供したりする活動を通じ、生態系を守る農業にシフトした方が長期的な利益につながることを、現地の農家さんたちに伝えています。
苗を植えたり、研修で知識を提供したりするという私たちが提供しているツールを通じて、現地のコミュニティをベースにした森林再生と、コミュニティの人たちがその後の環境再生活動を継続していけるような土台づくりを目指しています。
LUSHが大切にしている、環境再生や生物多様性の保全に対する考え方
LUSHがここまで長期にわたって、野生生物の生息環境やその土地の人々の支援に取り組んできた背景にはどのような考え方や方針があり、またどのような未来を目指しているのだろうか。
Pink氏:私たちは最も大きな懸念事項として、気候変動を挙げています。私たちのビジネスは天然資源に依存しており、私たちの商品も、私たちが一緒に働く世界中にいる人々も、自然環境から大きな影響を受けるからです。
当社の活動を支える3つの軸として、Protect(保護する)、Restore(修復する)、Rewild(再野生化する)ということを大切にし、これらを事業の中核に据えることで、持続可能な活動を継続できると考えています。