13歳でプログラミング賞多数 作品への熱量が持続する理由

浦添昴(デザイン=中根涼花)


「私はプログラミングと縁のない仕事をしていますが、子どもの熱中していることに一緒になって取り組んで、精いっぱいサポートするように心がけています。親も本気になってサポートすると、子どもたちもそれに応えようとする。そういう関係性を作っていくことが、本人のやりたいことを伸ばすことにつながるのではないでしょうか」

昴は父親の教えをこう振り返る。

「“やることはちゃんとやろう”と言われたのが印象的です。それは大会だけではなく、学校の勉強やテストも同じ。提出物も、出さないといけないものはちゃんと提出する。だって、そうしないと、社会人になった時に仕事ができなくてクビになっちゃうかもしれないし……」

「そうしたら人生転落じゃん!」と頭を抱える姿からは、13歳らしい表情がうかがえる。

一方で、本人が本気でないと分かれば、サポートも止める。ではその本気度はどのように見極めるのか。

意欲があるかどうか、どう見極める?


「本人に合った習いごとでも、ある程度続けていると壁にぶち当たります。それを乗り越えないと続かないし、大会では上位に食い込めない。でも本気であれば、大変な思いをしてでも一緒に乗り越えていけます」

父親がコーチを務める「CoderDojo Ishigaki」ではこんな工夫をする。マインクラフトはゲームなので、熱中しているからといって、能力を高めて大会で勝とうという意欲があるのかは分かりにくい。そこで、マインクラフトをせず作品を構想するだけの時間を作り、真剣に向き合えるかを見ているという。

今年のマインクラフトカップには、CoderDojo Ishigakiの仲間でもある学校の友達と出場予定。それにボーイスカウトのキャンプ大会「ジャンボリー」にも参加するつもりだ。

「将来の夢はまだないけど、これからもプログラミングとボーイスカウトを続けていきたいと思っています」

浦添昴

取材に答える彼の姿は、2年前のコンテストのプレゼンと比べ、一段と大人びた雰囲気になっていた。本気の姿勢をゆるめることなく、失敗しても前を見据える力で、浦添昴はさらに飛躍していきそうだ。


ゆきどっぐ◎東京在住のフリーランスライター・編集者。取材テーマは、グレーゾーンの子どもと教育、子育て、漫画、アート、子ども食堂など。文春オンラインや朝日新聞EduAなどで執筆。犬好きなのでペンネームは「ゆきどっぐ」。Twitterは@yukie_iy。

文=ゆきどっぐ 編集=露原直人

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