欧州各国のグラフィティアーティスト、反戦作品でウクライナ侵攻に抗議

ストリートアーティスト「セト」によるグラフィティ作品(Getty Images)

紫色のドレスにウクライナ伝統のヴィノク(花冠)とリボンをつけ、誇らしげにウクライナ国旗を掲げ、ロシアの戦車を踏みつぶしながら行進する少女──。これはストリートアーティスト「セト」によるグラフィティ作品で、ロシアがウクライナに侵攻したわずか3日後に突如、パリ13区の街中に出現した。

「前進するウクライナ」と題された同作は、印刷版が50ユーロ(約7000円)で販売されており、利益は全てウクライナ国民を支援する非営利組織(NPO)に寄付される。

ロシアがウクライナ侵攻を開始してから、欧州の著名なストリートアーティストたちは各地の都市で反戦を訴えるグラフィティ作品を描いてきた。以下に、そうした作品の一部を紹介する。

TVボーイ スペイン・バルセロナ



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バルセロナ在住のイタリア人ストリートアーティスト、TVボーイが描いたのは、オレンジ色のジャンプスーツに身を包み監獄に入れられたロシアのウラジーミル・プーチン大統領だ。この作品は最近、サンジャウマ広場付近の靴店の壁に現れた。

ハリー・グレブ イタリア・ローマ




ローマで多数の作品を描いてきたハリー・グレブが描いたのは、米誌タイムの表紙を飾ったプーチンだが、その頭にはウクライナの形をした母斑があり、ソ連最後の指導者ミハイル・ゴルバチョフをほうふつとさせる。この作品は、テベレ川沿いのルンゴテベレ・デイ・テバルディ通りの壁に描かれた。

ビッグ・ベン フランス・リヨン




仏ストリートアーティストのビッグ・ベンは、出身地リヨンにある「平和広場」に、鳩の頭をもぎ取るプーチンを描いた。ステンシルアートが高く評価されているビッグ・ベンの作品は陽気なものが多いが、今回の作風は大きく異なっている。

アンドレア・ビラ イタリア・トリノ




政治的な風刺作品を描き「トリノのバンクシー」とも呼ばれるストリートアーティストのビラは、剃刀ブランド「ジレット」の広告を真似て、ヒトラーのような口ひげを生やしたプーチンを描いた。これまでも広告をパロディー化したポスターを手掛けてきたが、今作はハッカー集団アノニマスがリツイートしたこともあって広く話題を呼んだ。
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編集=遠藤宗生

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