食品廃棄物の有効活用
木材の有効活用と並んで、食品廃棄物の有効活用は重要な取り組みだ。
この取り組みは、真庭市の一部地域から収集した生ごみ・し尿・浄化槽汚泥を年間計画量1500トンのモデルプラントでメタン発酵させ、液肥として市民や農家に提供するもの。副産物のバイオガスも発電に利用される。
毎日約5トンの液肥が製造、無償で提供されているのだが、すべて「捌ける」という。「皆さん、軽トラに積んだポリタンクに入れて持って行かれます。質も含めてとても好評です」と自身も利用者である森田さんは話す。無償のため、農家にとっても当然ながら肥料コストが抑えられる。
バイオ液肥スタンド(写真提供:真庭市)
今は市内の一部地域のみにおける取り組みだが、2024年に全エリアに拡大予定とのこと。原液を濃縮(水分量を減らす)し効率よく運べるようにすることで、さまざまな場所で使えるようにする予定だ。
来年度からは行政の重点施策であるプラント建設が始まり、2024年度には稼働予定だ。年間7億円ほどを占めるごみ処理費のさらなる抑制を見込む。森田さんはプラントの意義をこう話す。「プラント建設は、ごみの減量化による焼却コストの削減や焼却場の集約化を促すことにつながります。同時に、液肥は地域の有機資源の循環にも貢献でき、農産物の付加価値化にもつながるのです」実際に、肥料として化学肥料同等の収量や食味が期待できるという。(消化液の肥料料利用を伴うメタン化事業実施手引(一般社団法人地域環境資源センター)などより)