アーティスト西嶋豊彦。「文字の読み書きが困難」だからこそ表現できる世界


──まさに「目から鱗が落ちる」ようなお話ですね。では、最後の質問になりますが、西嶋画伯の今後の夢についてお聞かせ願えますか

西嶋:もちろん、王道の夢は「日本画の繊細な美しさ」や「伝統に根ざす匠の技」を国内外に向けて発信していきたいという事ですが、実はその他にもちょっと奇想天外と言われそうな夢の構想が二つほど頭の中にあるんです。そのうちの一つは以前から建築家の「隈研吾」氏にお目にかかりたいと思っていて、その実現の暁には「4畳半くらいの広さで、世界で一番小さな移動式個人美術館」の建築をお願いしたいと思っているんです。

そしてこの美術館を世界中どこへでも携えて西嶋の「古典から未来へ掛けての芸術の世界」を紹介する旅をすること。さらに「西嶋の世界」には欠かすことができない「花の命」を描いた小さな絵を宇宙船に持ち込んでもらうというのが僕のもう一つの夢でもあるんです。恐らく無機質であろう宇宙船の中に「花の命」を浮かべ、宇宙飛行士たちに「安らぎ」と「憩いのひと時」を味わってもらうことができれば本望ですね。

もちろん、その他にも「ディクレクシア」の啓蒙及び支援活動を継続していくことが僕の使命であると思っていますので、今後は様々な団体や企業とも協力しながら、イベント開催などを含めて幅広い活動をしていく予定でいます。

──ありがとうございました。「世界一小さい移動式美術館」や「花の世界を宇宙船に持ち込む」夢は、実現云々を通り越して、将に「西嶋芸術」の真骨頂のような気がします。「シロアリ」の絵の完成を楽しみにしています。

西嶋:ありがとうございます。


西嶋豊彦◎プロフィール:京都芸術短期大学、日本画専攻科修了後「個展」を中心に日本画画家として活動を開始する。現在は京都芸術大学通信教育部、非常勤講師、及び京都嵯峨芸術大学、非常勤講師として若手の育成に尽力している。また、自身が「ディクレクシア」症状を抱えているという点から「ディクレクシア」支援活動を展開している。

文=賀陽輝代

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