最大の障壁は「ビジョンの欠如」であるとPrindiville氏は話す。進展を加速させるべく、外食企業が調達している既存の使い捨て製品を登録して、それらの製品の基準コストと環境データを取得し、再利用可能な製品と比較できるようにするソフトウェアをUpstreamが2023年にリリースする予定だ。
Prindiville氏によると、取り組みの勢いを加速させるため、EPRに関する法律に再利用・詰め替え目標が追加される可能性があり、欧州委員会は循環型経済行動計画の一環として、2022年4月に新たな再利用・詰め替え目標を発表する予定である。フランスはすでに、2025年までに使い捨てプラスチック容器包装を20%削減する目標を設定しており、そのうち少なくとも10%は容器包装の再利用によるものでなくてはならない。
投資会社の米クローズドループパートナーズの業務執行取締役であるKate Daly氏は、再利用と詰め替えの未来は、相互運用性や、継続的な実験と協力にかかっているとする。クローズドループは、カリフォルニア州の9店舗で4種類の再利用可能なカップシステムを試験し、消費者がよく利用する店舗ごとに異なる再利用システムを提供することが大きな懸念事項であると判明した。
さらにDaly氏は「容器包装の非常に高い回収率なくして、詰め替えモデルの成功はあり得ません」と指摘し、顧客と小売業者の両方にとって有効なプログラムの実験を継続する必要があるとしている。
「競合他社が一丸となって取り組むことが、私たちの力強い未来に大いにつながります」とDaly氏は補足する。「データの透明性を高め、小売業者の運用実態や、顧客の嗜好に合わせた方向性を導き出す必要もあります」
6. アカウンタビリティ(説明責任)
持続可能な包装連合のGoodrich氏は、2022年は説明責任にかかっているとGreenBizに語る。2025年まであと少しであることを指摘したうえで、各企業が策定した2025年の目標の進捗状況を評価できるUbuntoo社のスコアカードは、行動を促進する“素晴らしい”ツールであると評価した。
Szaky氏も、企業が実際に行動に移すことを望んでいる。Szaky氏がこれまで見てきた企業のなかで、小売業の英テスコの1社のみが、売上が減少するにもかかわらず、環境負荷が大きい特定の包装製品の販売を中止する“つらい”決断をしたという。
「『最終的な収益につながるのであれば、持続可能な活動をする』という企業の考え方から根本的に変わるとはまだ思えません」とSzaky氏は話す。「テスコのような犠牲を伴うサステナビリティの決断はまだ見たことがなく、私が注目しているのはそのような決断です。それこそが、世界を変える魔法なのです」
この記事は、2021年10月にリリースされたCircular Economy Hubからの転載です。
【翻訳元記事】The 6 sustainable packaging trends we’ll be watching in 2022