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2022.01.25 07:30

服が「野菜」に変わる? アパレルの新しい循環型モデルとは


ゴミにしない方法は、土に還すこと


サステナビリティに着目したブランドを立ち上げるにあたっては、リサイクルすることができる“素材”を最重視した。
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綿や麻など様々な天然素材を検討したが、綿はアメリカやエジプト産、麻はフレンチリネンが主流。日本発のブランドとして、日本らしい素材を使用したいと考え、たどり着いたのが「和紙」だった。


店頭には、和紙を使った服が並ぶ

和紙を衣類の素材に使う技術自体は、前職でも何度か提案を受けて知っていた。だがそれらには、柔らかくするためにポリエステルがミックスされていた。
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園部は、ポリエステルを使用せずに“柔らかい生地”を実現しようと、和紙の独自開発をスタート。その過程で和紙ファブリック製品の製造・販売を手掛けるメーカーに出会い、生分解性に特化した特殊製法の糸を使った製品が完成した。

「着用したい期間」で金額が変わる


aloof homeの商品コンセプトは、「家から約1.6kmの範囲内で着るような、ワンマイルウェア」だ。

コアターゲットは、サステナビリティへの関心が高い富裕層。住空間でリビングやキッチン、ダイニングが独立していて、人を家に招く機会がある人を想定している。

「私自身も、たとえばホームパーティなどで自宅に人を迎えるとき、パジャマでも外出用の衣服でもなく、住空間に合ったホームウェアがあればいいなと思っていました。そんなニーズに応えるデザインです」


(左)「和紙ヤククロップド羽織り」2万9700円(右)「和紙キュプラレギュラーフィットシャツ」2万4120円「和紙デニム コンフォートパンツ」3万6630円

さらに、ホテルのリネン類、タオル類への展開も進んでいる。

商品の購入方法もユニークで、「着用したい期間」で金額が変わる。商品の保有期間として120日、180日、365日が選べるようになっていて、期間が満了した時点で不要になった場合は回収、そうでなければ期間を更新する仕組みだ。


商品購入時に選択する3つのプラン

元々は、使い古した服をリサイクルする方法として、エコバッグやトイレットペーパーに替える方法も考えていた。ただ、まったく別のモノを生み出すリサイクルは、ゴミをつくるのと変わらないのでは、という思いがあった。

「リサイクルして新しい商品になったとしても、それが消費された後にゴミになる可能性が高いですよね。ゴミにならずに最後まで消費されるのは“食”しかないと、思い至りました」
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文=三ツ井香菜 取材・編集=田中友梨

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