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2022.01.25 07:30

服が「野菜」に変わる? アパレルの新しい循環型モデルとは

2021年末、東京・南青山に、和紙などの天然素材のみでつくった服を販売する「aloof home」の店舗がオープンした。ユニクロでファッションデザイナーをしていた園部皓志が、2017年に創業したクレサヴァが展開するブランドだ。
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aloof homeの最大の特徴は、アパレルを基軸に衣食住の「循環型システム」を構築していること。不要になった服を回収し、京都府美山町の農園に埋めて肥料として活用、そしてその畑で育てた野菜を顧客に還元するというシステムだ。

なぜそんなことができるのか。その秘密は、土の中の微生物によって分解される「生分解性」を持つ“和紙”を使った生地にある。
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アパレル業界は「無駄が多い」と痛感


学生時代から“いつかは起業したい”という夢を持っていたと園部がクレサヴァを設立したのは2017年のこと。

もともとファッションに興味があり、起業に向けてファッションの本質を理解しようと18歳で渡英。ロンドンの大学でファッションデザインを学んだ。2012年に帰国すると、日本の組織形態を知るために海外ブランドを取り扱う企業に入社。その後、デザイナーとして日本を代表する企業で実績を積むために、ユニクロで3年間を過ごした。

起業にあたって、園部には「衣食住をトータルデザインしたい」という思いがあった。人々のライフシーンで必要とされる服に興味を持つと同時に、ライフシーンには衣服のほかに、住まいもあれば食事もあることに注目していたのだ。

そしてもう一つ、「環境を意識したビジネスモデルをつくる」という譲れない軸があった。その思いに至った背景には、イギリスでの経験がある。

「2010年代のヨーロッパでは、すでにエコバッグやタンブラーを持ち歩く人が多く、サステナビリティを意識した生活が当たり前になっていました。でも日本に帰ってみると、タピオカドリンクのプラスチック容器やペットボトルなどがそこら中にゴミとして捨てられている現状がありました」

日本と海外の差は、ファッション業界にもあった。衣類の大量生産や大量廃棄に加え、日本には多くの無駄を生む業界の慣習があり、疑問を持った。

「サンプルを何百枚もつくって、その中から数十枚のデザインを選ぶんです。当時はそれだけたくさんつくっても元は取れるだろうから大丈夫、といった程度の感覚しかありませんでした。でも、よくよく考えればその感覚自体、会社として持つべきではない。もっと無駄のない企画をしなければならないという思いが強くなりました」
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文=三ツ井香菜 取材・編集=田中友梨

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