必要に応じて、短期将来、中期将来、長期将来みたいに増やしてもいいかもしれません。
航空業界全体を評価する場合、2022年時点ではコロナ禍の影響がまだ残り、当然点数は低くなるでしょう。でも3年後は、2019年以前の状況に戻っているはずだから... という予想で点数が高くなる。技術革新でコストが安くなるので、2030年にはもっと点数が高くなっている、とか。
他にも、評価システムの数だけ、色々な特定条件があるでしょう。例えば、評価項目の比重の可変性です。
野球で言えば、守備のポジション。キャッチャーやショートのように、とても守備が重要なものもあれば、そうでないものもある。どのポジションとして評価するかによって、守備の比重が変わらなくてはいけません。
社員の評価でも、例えば外回りの営業の人の場合は、“コミュニケーション能力”という項目の比重が大きくなるべきかもしれません。
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それから、項目によっては、最低ラインが必要なものもあるかもしれません。
美容師で言えば、技術も知識も最高だし、体力もある、でもコミュニケーション能力が低すぎて、お客さんをいつも怖がらせてしまう、なんていう人がいたら、“全部が平均的という人のほうが使い勝手がいい”ということになります。
コミュニケーション能力が何点以下の場合はその時点で対象外、というような、足切りルールなども作る必要があるかもしれない。
こうして、各評価項目の比重や関連性(足し算か、掛け算か)、時間概念などを考えながら、ルールを設定していく必要があります。これはなかなか難しい。評価システムをデザインする人が、ここでもよくよく考えて、色んな知恵も借りながら、構成していかなくてはなりません。
次回(8月5日公開)は、5点満点の評価項目にどういう基準で1や5をつけるのか、といった評価基準のデザインについて、詳しくお話します。
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