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Forbes JAPAN Web編集部

ナイルCEO 高橋飛翔(撮影=藤井さおり)

定額課金によって商品やサービスを利用できる「サブスクリプション(サブスク)」。商品やサービスをユーザーに売り切る形から転換し、新たなビジネスモデルとして取り入れる企業は年々増えてきている。

新規参入も多く、競争が激化するなか、各界のトップランナーたちはいかにサブスクビジネスを成功させているのか。本連載「サブスク激戦区」では、事業を軌道に載せたプレイヤーたちに、利用者獲得やファンからの継続課金の秘訣、競合との差別化のポイントなどを聞いていく。第2回は、車のサブスク「カーリース」に迫る。


日本では新車購入台数が減少傾向にあるなか、反比例するように利用者数が増加している「カーリース」。頭金が不要で、車検やメンテナンス、自動車にかかる税金などを月額定額で支払うことができ、安く手間なく車に乗れることが人気の理由だ。

2019年からは、トヨタのKINTOや日産のクリックモビ、ホンダのホンダマンスリーオーナーなど大手自動車メーカーをバックにしたサービスが参入するなか、自動車産業に関わりのなかった「ナイル」のカーリースが成長を見せている。

ナイルは、18年1月、前出の大手に先んじてカーリース「定額カルモくん」(以下、カルモ)をスタートさせた。自社で在庫を持たず、顧客とのリース契約の仲介をする形のため維持管理費がかからない。 

通常月3万円ほどかかる大手に比べ、1万円台からリースができるのもカルモの特徴だ。

さらに業界初の最長11年の契約プランを持つほか、比較検討から納車まで全ての工程を、電話やメール、チャットなどオンラインで済ますことができる。これは同社独自のもので、ユーザーからも好評を得ている。

運営会社であるナイルは、21年1月に 、DIMENSION、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、環境エネルギー投資、博報堂DYメディアパートナーズ、SBIグループ、日本ベンチャーキャピタル、グリーベンチャーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、その他個人投資家や金融機関から50億円超の資金調達を発表した。

半導体不足で納期遅延など打撃を受けたものの、同年11月には申し込み総数9万件に達し、契約台数は昨年対比2.2倍伸びた 。

デジタルマーケティング企業からの参入


まさに好調の波に乗るナイルのカルモだが、自動車事業での実績がゼロの状態からカーリースへの参入は容易ではなかった。

ナイルCEOの高橋飛翔は当時をこう振り返る。

ナイル高橋
撮影=藤井さおり

「サービスを開始し、ティザーサイト(商品販売前にユーザー向けに情報発信するサイト)を立ち上げると、お申し込みがすぐに数十件来ました。しかし、初月の提携金融機関での与信審査通過率は5%。つまり、無名だったカルモにお申し込みされるのは与信に自信のないお客さまばかりだったということです」

無名の状況から「定額カルモくん」が消費者の選択肢に名を連ねるようにするため、ナイルはいくつもの施策を講じてきたという。

文=露原直人 写真=藤井さおり

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