昨今注目が集まるアフリカン・テックのさらなる躍進のためには、ベンチャー・エコシステム構築に向けた法整備、アフリカ人投資家の増加、そして情報のオープンソース化が鍵を握る。
エコシステム構築に欠かせない法整備
現在、アフリカ連合加盟国は55カ国、総人口は12億人。人口は2050年までに倍増すると見られている。しかし、人口増が牽引するアフリカ市場の成長に注目が集まる一方、ベンチャー投資額は未だ限られている。
アフリカリーナの報告書によると、2020年のテックベンチャー投資額は14.3億ドル、2021年の着地は22.5億〜28億ドルの予測。また、近年、アフリカ発のユニコーン企業出現も注目されつつあるが、その数も決して多いとは言えない。
本コラムでも何度か取り上げているアフリカリーナの活動は、今年で5年目を迎えた。2017年以降、起業家、エンジェル投資家、事業会社、ベンチャー・キャピタリスト(VC)といったエコシステムにおける主要プレイヤーをより効率的かつ効果的に結びつけることで、スタートアップに対する投資機会と市場アクセスの機会を提供することを目指し、活動を展開している。
アフリカリーナの創業者兼CEOは、過去20年近く、南アフリカでさまざまな会社・団体の創業者・経営者として活躍してきたフランス出身のクリストフ・ヴィアルノー(Christophe Viarnaud)。彼は、ケープタウンを拠点にフランス、英国、ベネルクス、チュニジア、南アフリカにてDXソリューションを提供するメティス・グループ(Methys Group)の共同創業者兼CEO兼会長を務める傍ら、アフリカリーナなど複数団体の経営に携わっている。
今年のサミットは、南アフリカ・ケープタウンにて11月16日〜17日の2日間にわたって開催。昨年はパンデミックの影響で規模を縮小していたが、今年はおよそ200人が参加した。サミットでは、基調講演やパネルディスカッションに加え、アフリカ各地から選抜されたスタートアップ企業37社によるピッチも繰り広げられた。