#しかたなくない 渋谷から始まる「我慢を変える」プロジェクト


本当に情報が必要な人に届けたい


今回、あえてアナログな“雑誌”やOOHをメイン施策に据えたのは、オンラインではなかなか訴求できない層に向けたコミュニケーションの必要性を感じていたからだ。

「SNSでの発信もしているのですが、自分の興味関心の高い分野の情報が優先的に流れてくるプラットフォームなので、本当に情報が必要な人に届かないかもしれません。だからこそリアルな場を重視し、SNSとは違った層にアプローチしたいと考えました」(アボ)

マガジンの配布は、「渋谷109」前のスペースで12月20日まで(限定1万冊)。取り組みに賛同した全国の一部書店でも取り扱いがある。OOHは、渋谷駅近辺の約60カ所350面で12月27日まで掲出する。

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「渋谷109」前でマガジンを配布するスタッフら

2022年をムーブメントの元年に


「#しかたなくない マガジン」は、今回に限らずこれからも様々な「しかたなくない」をテーマに、続けて刊行していく。

ネクイノの石井は、「世の中に“しかたなくないこと”は無限にあります。例えば、休日まで仕事をしなくてはいけないのは、しかたなくないですよね。次回からは扱うテーマを変えていき、多くの人が生きやすい社会をつくっていきたいです」と力を込める。

今後の展開に当たっては、コラボレーションできる企業や団体も歓迎している。

「必ずしも一社で取り組む必要はないと思っています。ネクイノの事業とは異なる領域であっても、同じ志を持っている企業があれば、ぜひ連携させていただきたい」

スタートしたばかりの「#しかたなくない」プロジェクト。2022年1月12日には、次の施策として般参加型イベント「#しかたなくない オリエンテーション」を渋谷区内で開催予定。リアルイベントで、プロジェクトの狙いや構想、アイデアを発信する。

渋谷未来デザインの長田が「2022年は、体や性に対する固定概念を変えていく“ムーブメント”の元年にしていきたい」と話すように、まずはダイバーシティ&インクルージョンが進んでいる渋谷から、大きなうねりが生まれることに期待がかかる。

文=堤美佳子 取材・編集=田中友梨 撮影=小田光二

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