#しかたなくない 渋谷から始まる「我慢を変える」プロジェクト

「男だから女だからと決めつけられるのはしかたない?」「PMSがただのイライラと片付けられるのはしかたない?」「相手が避妊してくれないのはしかたない?」──。

日本では今、少しずつ多様な生き⽅や価値観が理解されるようになってきている。それでも多くの人が、性に関する悩みやジェンダー格差、働き方などで、無意識のうちに「しかたない」と諦めた経験があるのではないだろうか。

そこで、立ち上がったのが「#しかたなくない」プロジェクト。「それ、本当にしかたない?」と考えられる、「しかたなくない」と⾔える社会をつくりたい。そんな想いを込めて、オンラインピル処方サービスを手掛けるネクイノと、一般社団法人「渋谷未来デザイン」が手を組んだ。

12月14日にスタートした第1弾では、渋谷駅周辺でフリーマガジンの配布やOOHの展開を行っている。

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誰もが何かを我慢している?


ネクイノは、「世界中の医療空間と体験をリデザイン(再定義)する」ことをミッションとするスタートアップ。2018年6月にオンライン診療でピルの処方や医療相談を提供するアプリ「スマルナ」を開発。2021年11月時点で累計65万ダウンロードを記録している。

代表取締役の石井健一は、スマルナを運営する中で、ユーザーから「今まで我慢していたものを我慢しなくなった」「10年前、私が現役のときに欲しかった」という声を聞いて、「誰もが何かを我慢してしまっているのだな」と実感したという。

さらに、スマルナのユーザー885人を対象に行った調査では、「体調不良でも無理して出社した経験がある」という⼥性が95%以上、「⽣理休暇を使えない」という⼥性は70%以上にのぼった。やはり「我慢している人」が多いことが伺える。

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ネクイノ代表取締役の石井健一

こうしたユーザーの声に対して「何かできないか」と考えたことがきっかけで、「#しかたなくない」プロジェクトが生まれた。

「これからの時代は、誰しもが我慢せず、自分らしく健やかに生きていってほしい。そんなメッセージを発信したいと思っていました」
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文=堤美佳子 取材・編集=田中友梨 撮影=小田光二

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