同社代表取締役社長の園田崇史と同社顧問に就任した鈴木絵里子が、ウフルだからこそできる持続可能な社会への取り組みについて語り合った。
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鈴木絵里子(以下、鈴木):私はテクノロジー関連の投資にずっと携わっていて、自身もドローンのスタートアップを運営していました。学生のころから社会課題解決に興味をもち、アフリカでインターンシップをしていたこともあります。スワヒリ語を学んでいたことからも、ウフルにはご縁を感じます。
園田崇史(以下、園田):「ウフル」はスワヒリ語で自由を意味します。自由な発想とテクノロジーで持続可能な社会を実現する企業を目指し、2006年に創業しました。クラウド、IoT、ブロックチェーンといったインターネットのテクノロジーを通じて企業や自治体のデータを利活用することで、世の中のムリ・ムダをなくしていくことを目指しています。
そのときの最新のテクノロジーを駆使し、社会課題を解決したいというのが想いです。その実現のため、インターネットとリアルな社会をつなぐことが私たちの役割だと思っています。インターネットは通信の技術として発達しましたが、そこにセンサーやカメラなどさまざまな機器、ハードウェアがつながることで、インターネット社会がどんどん広がっています。それらから取得したデータを最適な形式や形態で利活用しています。
もうひとつ重視しているのは、他社とのコラボレーションです。当社が注力する領域は、非常に幅広い技術要素が必要です。三井物産、ソフトバンク、セールスフォース・ドットコム、日本特殊陶業、豊田合成といった当社の株主をはじめ、さまざまな企業と連携できることが私たちの強みと言えます。
園田崇史 ウフル代表取締役社長
鈴木絵里子 ウフル 顧問
鈴木:テクノロジーの力で社会課題を解決していこうとする姿勢に共感し、このたびジョインすることになりました。いまもベンチャーキャピタリストとして、いろいろな会社をみていますが、ウフルは、他社と連携されている点がユニークでした。テクノロジーを浸透させていくには、とがったテクノロジーだけでは難しいので、ウフルがいろいろなプレイヤーをつなげ、行政とも連携されていることは素晴らしいことです。そのネットワーク力は、どのように培われてきたのでしょうか。
園田:創業以来、コミュニティを意識してきたことにあります。技術者、ユーザー、地域のコミュニティに私たち自身が身を投じ、関係性を築いてきました。コミュニティ内で情報を発信することもありますし、逆に情報をいただくこともあります。これらのコミュニティを通じてソリューションをつくり込んでいくことが、まず大きな軸としてあります。
もうひとつは、フィールドを大事にしています。例えばスタジアムやオフィスなど、具体的な場所にインターネット技術を紐づけ、リアルとバーチャルの技術がシナジーを産むことをひとつのアプローチと考えています。
鈴木:4年前にはじめてお会いしたときは、まだスタートアップがここまで脚光を浴びていませんでしたが、そのころからエンジニアのコミュニティを活性化されていたことが印象的です。コミュニティとフィールドによって、どのようなプロジェクトが具現化したのでしょうか。