ビジネス

2021.12.15

和歌山からスコットランドまで。地域の課題をテクノロジーで解決するウフルのグローバル戦略

左:ウフル顧問 鈴木絵里子 右:ウフル代表取締役社長 CEO 園田崇史


鈴木:国や地域によって嗜好が違うコンシューマー向けの製品ではないので、ウフルの場合は特にグローバルに広げられる可能性があると思います。必要とされる場所で最初に大きな事例をつくることができれば、さまざまなネットワークを通じて広がっていくはずです。

園田:日本には約1700の基礎自治体がありますが、そのうちの1000ほどは人口が10万人以下です。これらの課題を解決していくことが日本全体のムリ・ムダをなくすことにつながりますし、そこで生まれた考え方や技術的な資産は、必ずグローバルに利活用できるものだと考えています。日本は世界に先んじて高齢化が進んでいる社会ですが、他の国でもいずれ必要になるはずです。

カーボンニュートラルという観点でいうと、いかに少ないリソースや人的パワー、CO2排出量で社会サービスやコンディションを同じレベルに維持できるかは、グローバルで重要なテーマです。日本にはそれを実現するために必要な素晴らしいセンサー技術があります。その技術を使って、グローバルに通用するソリューションを開発していきたいです。

鈴木:世の中はテクノロジーによって変わっていますが、それをどんどん世の中に見せられる会社がウフルだと思います。自社のプラットフォームもありますし、いろいろなソリューションと連携して実績をつくっていくのに長けています。サステナビリティを本当にコアに据えておられるベンチャー企業は日本では多くないので、有言実行を示せたらよい例になると思うので、期待しています。

園田:日本の人口が減っていくなかで、例えば観光、防災、ヘルスケアなどにおける課題を解決するために、資源をムリ・ムダなく使うために必要となるデータ連携基盤であったり、ユーザーが使うポータルサイトやモバイルオーダーの仕組みを準備しています。

まずはそれをより付加価値の高いものに変えていき、日本中に実装していくことを足元で取り組んでいます。これを必要な場所かつ実現可能な世界中の地域に戦略的に投入していくことが、中期的に実現しなければならないことです。そしてその先に目指すのは、スマートシティプラットフォーマーとして世界一になること。結果的にそれがカーボンニュートラルや持続可能な社会につながっていくと信じています。




園田崇史◎ウフル代表取締役社長 CEO。1995年、早稲田大学政治経済学部卒業後に電通入社。退職後、南カリフォルニア大学(USC)大学院に進学、経営管理学修士(MBA)を取得。モルガン・スタンレー証券、日興シティグループ証券を経て、ライブドア(現LINE)執行役員副社長就任。2006年、ウフルを設立し現職。

鈴木絵里子◎ウフル顧問。マギル大学経済学部卒業。モルガン・スタンレー、UBS証券などを経て米ドローンベンチャーの日本法人を立ち上げ、日本代表に就任。2021年5月、日本初ESG重視型グローバルベンチャーキャピタルファンドMPower Partnersの設立に参画。同年10月、ウフル顧問に就任。

Text by Fumihiko Ohashi / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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