鍵を握るのは「くまモン」。熊本県の「SDGsモデル」は広がるか?

「熊本県SDGs登録制度」に登録されると使用できる「くまモン」のロゴマーク


「くまモン」がSDGs推進のカギに


実は、熊本県SDGs登録制度には、もう1つ大きな「特典」がある。それは、登録事業者はPRマスコットキャラクター「くまモン」をあしらったオリジナルロゴマークを、名刺などに使用できるのだ。

くまモンは、2010年から熊本県が「熊本サプライズ」キャンペーンにおいて展開している熊本県PRマスコットキャラクター。2011年の「ゆるキャラグランプリ」では王者にも輝いている。

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登録されると使用できる「くまモン」のロゴマーク

2020年には10周年を迎え、熊本県の「営業部長兼しあわせ部長」として活動している。また同年には、くまモンを利用した商品の売上高が国内外で1698億円を超え、9年連続で過去最高を更新した。海外でも人気を集めるなど最も経済的に成功しているご当地キャラとなっている。

そのくまモンがまた、こうした熊本県のSDGs施策を支えているのだ。式典やロゴマークなど随所で起用され、多くの人たちを巻き込むための「カギ」ともなっている。

今回のSDGs登録制度においても、くまモンを積極的に起用することで、国内外の多くの人にアピールできる可能性を秘めている。

キャラクター自体のかわいさはもちろんだが、認知度が高いため、こうした仕組みに対しても多くの共感が得られる。今後もさまざまな関係者がSDGsを使って連携していくための有効な活動の共通基盤(筆者は「プラットフォーム」と呼んでいる)となるだろう。効果的なくまモンの活用事例が生まれ、県内、さらには全国にも波及していくことを期待したい。

SDGs×くまモンで国内外への波及も?


今回の交付式、式典後の記念撮影では出席した275の事業者が一堂に会した壮々たるものとなり、その結集力の強さも感じさせた。

当日残念ながら欠席となった企業や団体も含め、今回登録された442の事業者が先陣となって模範事例を示して、一気に県内の各企業への刺激として展開していって欲しい。

そしてその「熊本 SDGs モデル」が、世界的な共通言語である「SDGs」と、くまモンの「共感力」との相乗効果で、国内外に拡散されていくことを願っている。

文=笹谷秀光

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