これさえあれば誰もが幸せになる! 知っておきたい4つの因子
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「因子分析」。何やら難しそうな匂いのする単語だ。そもそも「幸せ」という目に見えない漠然としたものに、そんな科学的なアプローチが通用するものか疑問を感じる。
「因子分析とは、簡単に言えば物事の要因をいくつか求め、その要因が物事にどのぐらい寄与しているかを求める方法です。たとえば味覚の因子分析をするなら、いくつかの食品や調味料の味について多くの人に、たくさん質問をして、何段階かで答えてもらいます。甘いか辛いかだけではなく、甘酸っぱいか、ほろ苦いか、甘辛いかなど微妙な質問も含めるとより深い結果が出てきます。そうして出てきたアンケート結果をコンピュータで計算すると、いくつかの因子が求められます。味覚なら『甘さ因子』『辛さ因子』『酸っぱさ因子』などですね。これの幸せ版を求めて出てきたのが幸せの4因子です」
このようにして見つけられた幸せの4因子。人が幸せになるために押さえておきたいポイントとはいったいどういうものなのだろうか。
第一因子:「やってみよう!」因子
自己実現と成長の因子。
自分の強みがあるかどうか、その強みを社会で活かしているかどうか、そんな自分はなりたかった自分であるかどうか、そして、よりよい自分になるために努力しているかどうかなど。
第二因子:「ありがとう!」因子
つながりと感謝の因子。
自分を大切に思ってくれる人がいるかどうか、人生において感謝することがたくさんあるかどうか、日々の生活において、他者に親切にし、手助けしたいと思っているかどうかなど。
第三因子:「なんとかなる!」因子
前向きと楽観の因子。
ものごとが思い通りにいくと思っているかどうか、学校や仕事での失敗や感情をひきずるかどうか、人生で多くのことを達成したと思うかどうかなど。
第四因子:「ありのままに!」因子
独立と自分らしさの因子。
自分のすることと他者がすることを比較しがちかどうか、自分に何ができて何ができないかは外部の制約のせいだと思うかどうか、自分自身についての信念は変化するかどうかなど。
前野隆司著『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社現代新書)より
この4つの因子の内容を見て、みなさんはどう思うだろうか。自分は強みがあってそれを社会で発揮できていると思えば1番目の「やってみよう」因子は満たしているということになる。しかし、それでも他人と自分を比較して、自分にはあれがない、これがないと後ろ向きに考えてしまうようなら4番目の「ありのままに!」因子が足りないということだ。それを満たすようにすれば幸福度は上がることになる。
「これら4つの因子は四つ葉のクローバーみたいなもので、4つ揃うと幸せになれるということ。ただ、絶対に4つ揃わないと幸せではないのかどうかはまだ議論の余地があるでしょう。大事なのは、私たちの幸福に関係する心的因子がわずか4つに集約されたこと。人間の脳はわかりやすい目標があると、無意識にそれを目指してしまうものなのです。だから、そのシンプルさが重要で、この4つを覚え、満たすように心がけていたら、誰でも幸せになれると思います」