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新たな「美食のハブ」に。初のミシュランガイドモスクワ注目の3店

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ミシュランガイドモスクワ2022 授賞式の様子 (C) Press Service of the Moscow City Tourism Committee


Bjorn(注目の若手シェフ賞、グリーンスター、ビブグルマン)


注目の若手シェフとして今回唯1人選ばれたのが、若干26歳の「Bjorn」のニキータ・ポディラヤンシェフ。店はカジュアルなカフェスタイルの北欧料理店で、アラカルトで北欧のオープンサンドイッチ「スモーガスボード」なども楽しむことができるが、注目はこの3月にスタートした「エキゾティックコース」だ。

もともと調香師の勉強をしていたというポディラヤンシェフは、「CO2排出の多い海外の食材を使うのは、今の時代に合わない。香りと味をきちんと研究すれば、同じ味わいを地元食材でも出せるはず」という信念のもと、3年がかりで「マンゴー、マンダリン、ココナッツ、キウイ、カカオ、バナナ」などの、エキゾティックな南の産地の食材の味わいを、ロシア原産の食材を使って再現し、それらを使った料理をコース仕立てで提供している。

例えば、近年ロシアで愛されている定番の組み合わせの一つ、「マンゴーと鶏肉」をどう表現するか。シェフは、マンゴーの味の再現に、焼きリンゴと茹でたカボチャ、そしてマンゴーの皮にある松の葉のような香りを再現するために、β-ピネンという香り成分を含むジュニパーベリーのオイルを加えた「マンゴーピュレ」を創造。

鶏肉は、ロシアで手に入るものは大企業で大量生産されたものがほとんどのため、小規模農家で育てられたウズラの肉で代用。焼いたウズラ肉に青リンゴのピクルスと「マンゴーピュレ」、セージの葉を飾った、オリジナルでサステナブルな「マンゴーと鶏肉」の料理を生み出した。

コースの最後には、パレットに並べられたそれぞれの自家製「地元産エキゾティック食材」が並べられ、「いかに本物の味が再現されているか」も確かめることができる。


最後に提供される「答え合わせ」のパレット

今回味わったのは、いずれも事前予約制のコース。モスクワでは、今も地元ゲストのアラカルト志向が強く、紹介した3店でも、少量多皿構成のクリエイティブなメニューは誕生日など特別な時にオーダーし、普段は馴染みのある料理をアラカルトで楽しむゲストが多いようだ。

とはいえ、情熱に溢れたシェフ、高い調理技術と、宇宙開発に見られるような高度なテクノロジー、広大な国土からの豊かな食材に恵まれたロシアが、新たな美食の都として花開くまでには、きっとそう時間はかからないのではないだろうか。

なお、現在日本人がロシアを訪問するには、基本的に日本もしくは居住国のビザセンターでのビザ取得が必須だが、ロシア政府は外国人の入国を簡素化する手続きを進めているという。今後ロシアは、私たちにとってより身近なものになっていきそうだ。

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文・写真=仲山今日子

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