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世の中を“シズ”らせたい!新しい飲食ビジネスのカタチ

コロナ禍で1日300本売れ話題になった「HEY!バインミー」

僕がオーナーシェフを務める、東京・代々木上原のフレンチレストラン「sio」。2019年12月にミシュラン一つ星を獲得した矢先、新型コロナウイルスによって、予定していた客足が得られなかったり、営業を停止せざるを終えなかったりと、大きなダメージを負いました。

特に恐怖を感じたのが、「料理を食べてくれる人がいなくなる」ということ。料理人とは、食べてくれるお客さまがいて初めて価値が生まれる仕事なのだと改めて実感しました。

ただ、この1年半ほど試行錯誤した結果、向かい風を「追い風」に変えることができるようになってきました。「コロナと戦う飲食店」としてたくさんのメディアに取材いただき、多くの方に知っていただくことができたからです。

僕個人のTwitterフォロワー数を見ても、2020年3月は6000人だったのが、現在は約13倍の8万2000人まで増えました。ひとつの数字に過ぎませんが、よりたくさんの方に僕たちの情報が届けられるようになったことは、店舗運営にも非常にポジティブな効果をもたらしています。

ということで本稿では、これだけたくさんの方にsioを知ってもらえる要因となった「3つのPRアイデア」を、紹介したいと思います。

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代々木上原のフレンチレストラン「sio」

1. SNSでのレシピの無料公開


2020年4月、東京都内では初の緊急事態宣言が発令されました。世の中が漠然とした不安の渦に巻き込まれている中で、営業を自粛せざるを得ない状況となりました。僕はこの未曾有の事態に、経営者として、料理人として、何をすべきかを考えていました。

「お客さまは今、何を求めているだろう?」

考え続ける中で、レストランに行けなくても「おいしいものを食べたい」という気持ちはあるだろう、と想像しました。そこで「お店で提供している料理をお客さまに自宅でつくってもらい、食べてもらうのが良いんじゃないか」というアイデアを思い付きました。

そして生まれたのが「#おうちでsio」。Tiwtterでこの ハッシュタグ付けてレシピを公開したところ、「門外不出のレシピを公開するなんて」「めちゃくちゃ有り難い」などと多くのリアクションをいただき、またたく間に拡散されました。

4月に公開したハヤシライスのレシピ

さらに、Twitter上でバラバラになっていたレシピを、sio公式noteに見やすいようにまとめました。すると、出版社の方からも声を掛けていただき、レシピ本の出版につながりました。

結果、様々な形で我々を知ってもらえ、触れてもらえる機会になりました。これをきっかけにファンが爆発的に増加したのです。

レシピという「スキル」のシェアで、こんなにもたくさんの方に幸せになっていただけるんだと実感しました。これからもどんどん、オープンソースしていきたいと思っています。

文=鳥羽周作

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