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Photo credit should read Costfoto/Barcroft Media via Getty Images

米国の量子コンピュータのスタートアップ「IonQ」が10月1日、SPAC(特別買収目的会社)との合併を通じてニューヨーク証券取引所に上場した。量子コンピュータ企業としては初めて上場を果たしたIonQは6億3500万ドル(約720億円)を調達した。同社に出資するサムスンにとっても、次世代コンピュータへの大きな一歩となった。

メリーランド州本拠のIonQは、デューク大学の教授であるChris MonroeとJungsang Kimによって2015年に設立された。Monroeは、マサチューセッツ工科大学とコロラド大学ボルダー校で物理学を学び、Kimはスタンフォード大学で物理学の博士号を取得している。

サムスン傘下のVCファンド「サムスン・カタリスト・ファンド」は、IonQが2019年に5500万ドルを調達したラウンドで、アブダビの政府系投資会社「Mubadala」と共同でリードインベスターを務めた。IonQは、アマゾンやGV(旧グーグルベンチャーズ)、NEAからも資金を調達していた。

サムスンは自前主義で知られており、IonQへの出資額は、同社によるスタートアップ投資としては破格の規模だ。サムスン・カタリスト・ファンドは、IonQを「量子コンピュータ業界のリーダー」と紹介している。

「サムスンは、先端半導体などのエレクトロニクス製造における世界的リーダーだ。IonQへの出資は、コンピューティングとデータ処理の分野での革新的な技術を取得し、競争優位性を構築することが目的だ」と調査会社IHS MarkitのRajiv Biswasは話す。

サムスン・カタリスト・ファンドは、IonQに出資した際の声明で次のように述べていた。

「量子コンピュータは、原子よりも微小な領域における物理法則を利用することで、最もパワフルなスーパーコンピュータでも不可能な問題を解くことができる。サムスンは、コアテクノロジーや製造に強みを持ち、半導体やディスプレイ、バッテリーの分野の知見を活かすことで、量子コンピュータ業界の進化を加速させることが可能だと考えている」

調査会社IDCのNyunsoo Naは、サムスンが今後、IonQへの出資を活かし、チップなどの製品をグーグルをはじめとする外部企業に販売すると予測する。サムスンは、世界最大のメモリーチップメーカーだが、2019年に今後10年で1160億ドルを非メモリーチップやチップの受託生産に投資すると発表した。

編集=上田裕資

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