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目に直接画像を描き起こし、「見えづらいを見えるに変える」──。

そんな最先端のレーザ技術を開発・製品化するQDレーザが、2月5日に東証マザーズへ上場。富士通研究所をスピンオフしてからおよそ15年という歳月を経て、世界に先駆ける技術力を誇る日本のリアルテックベンチャーが、投資家たちが待つ株式市場にデビューを果たした。

半導体レーザは、従来のレーザ機器より優れた性能を持ち、電子・通信機器、自動運転分野、検査・加工機器などさまざまな領域で実用化が進められている。なかでも量子ドットを実装した半導体レーザは、消費電力、伝達効率性、高温度への耐久性などの面においてさらに優れ、「理想の半導体レーザ」と呼ばれている。

「絶対に不可能」とされてきた量子ドットの量産化を世界で初めて実現し、半導体レーザへの実装を可能にしたのがQDレーザだ。

QDレーザは、半導体レーザの諸技術のみならず、プラネタリウムのように網膜にレーザ光を直接投影する新技術「ビジリウムテクノロジー」および、関連アイウェア開発技術を保有している。

ビジリウムテクノロジーは、知覚を担う網膜に直接レーザをあてて画像を描き起こすという原理で、低下した視力を改善させたり、もしくは目の機能を拡張することができる源泉技術である。

同技術をブラッシュアップした「RETISSAシリーズ」は、ロービジョンと呼ばれる全盲ではない視覚障害をもつ人の弱視を克服するプロダクトで、医療認証も正式に取得。今後、検眼の効率化などヘルスケア分野においても技術を応用し、さらなる活用が見込まれている。なおQDレーザは医療機器製造業の許認可を得ているが、こちらも半導体レーザメーカーとしては世界初となる。


「RETISSA DisplayⅡ」 光で網膜に映像を描き出すため、視力やピント位置に依存せずクリアな映像を見ることができる。研究を重ね、小型・軽量化を実現した。

QDレーザを率いる代表取締役・菅原充は、Forbes JAPANのインタビューに対し、「電子立国 日本の復活に寄与したい」と上場後の展望を話す。

「インターネットの普及からおよそ25年の時間が経過しましたが、残念ながらネットワークはGAFAやBATなど欧米や中国のジャイアントに握られてしまった。しかしこれから先25年は、ネットワーク上で稼働する新しいデバイスやテクノロジーなど、リアルテックの時代が来ると考えています。我々としては、レーザ分野から次の時代にアプローチしていきたい」

文=河鐘基

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