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地方発イノベーションの秘訣

ホームページ監理官として採用された金田侑士(ゆうと)

中央省庁や地方自治体で、デジタルに強い民間企業経験者を、即戦力として中途採用する動きが拡大している。

今年4月、神戸市に採用された金田侑士(34歳)もその1人。三菱UFJグループ、アクセンチュア、リクルート、三井住友信託銀行という多彩なキャリアを経て、神戸市の「ホームページ監理官」に登用された。

ホームページ監理官というのは、住民が調べたい情報に現状ではたどり着きにくくなっている神戸市の公式ホームページ(HP)を刷新するのが主な役割だ。

現状、神戸市の情報は、各部署がそれぞれの判断で掲載することになっている。そのため、広報戦略部が展開する神戸市のブランドイメージやビジョンには関係なく、玉石混交の情報が随時アップされているのが現状だ。しかも、古い情報が残り続けるので、全体で約3万ページと膨大な量になっている。

また、HPに載せさえすれば住民に説明したことになると考えた結果、住民が本当に知りたい情報にすぐに辿りつけず、使いにくいHPになってしまっているのだ。

そこで神戸市では、コールセンターへの問い合わせが多い内容を優先して掲載することに決め、HPのページ数を3分の1以下に減らす方針とした。

今後は、希望者にはIDとパスワードでログインする方式を採用し、利用者の興味・関心を登録。閲覧履歴も活用しながら、例えば「子育て」や「介護」について知りたいと思っている人には、その情報がトップページで見られるようにしていく予定だ。

さらに、将来的には、マイナンバーカードでの個人認証を導入し、オンラインで申請や届け出ができるようにしたいと考えている。

神戸市に「ホームページ監理官」として登用された金田が担うのは、まさしく「デジタル市役所」を見据えたこのような変革だ。

まず取り組んだのは、ワクチン接種の予約サイト


このような仕事をするべく神戸市に飛び込んだ金田だが、最初に直面したのは、新型コロナのワクチン接種という、自治体にとって初めての業務だった。この時点で彼が最優先すべき仕事は、ワクチンの情報をHPで伝えて、市民が円滑に予約や接種が行えるようにすることになった。

神戸市では当初、ある大手ベンダーが開発したサイトで接種予約を受け付けていた。ところが、市民から「使い勝手が悪い」「できるだけ早く接種したいときにどこで接種すればいいのか判らない」という苦情が相次いでしまった。

というのも、この予約サイトでは、「○○会場」や「××クリニック」といった「接種場所」を選んだ後でないと、毎日の空き状況が見ることができなかったのだ。

文=多名部重則 

コロナワクチンDX
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