最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

Photo by Shutterstock.com

先の見通せないコロナ禍の時代。生き残れるのは、全員がリーダーの視点をもつチームだ。『チームワーキング ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくりかた』を上梓した立教大学経営学部の中原淳教授が解説する。


先が見通せない時代こそ、チームのメンバー全員がチームに貢献する「チームワーキング」の考え方は、すべての人が身につけるべき基礎スキルであり、必修科目だと言えます。

その背景には、企業経営にとって性別や国籍も関係なく、優秀な人に長く勤めてもらうことがますます重要になっていること、さらに、コロナ禍で企業経営やその人材マネジメントにおいて10年に匹敵する急激な変化が1年で起きたことが挙げられます。これから変革を遂げられる企業と取り残されていく企業が非常にクリアになっていくでしょう。

大学の私の研究室では、各企業のエンゲージメントの調査を分析していますが、コロナ禍では組織にさまざまな変化が生まれています。まず、3つの「見えない化」が進みました。リモートワークでお互いが見えないというのがまずあります。つぎに職場や会社の目標が見えない。これらによって、エンゲージメントなどのポイントが下がった企業が多いです。

さらに経営者の考えが見えない。経営者への信頼、戦略への共感などのポイントが失われている企業が少なくありません。企業によっては、このコロナ禍で事業の立て直しが迫られています。これが長く続けば、組織はバラバラになり、変化に対応できなくなる。いまは昔の信頼残高でなんとかやっている企業も多いですが、2020年でほぼ使い果たし、限界が来ています。

チームワーキングでいちばん大事なのは、チームは常にダイナミックに変化している「現在進行形」の生き物だ、という考え方をインストールすることです。チームは常に変化しているので、かかわり続けないといけないのです。

成果を残すチームの3つの行動原則


外から評価される成果を残すチームとそうでないチームを比較すると、3つの行動原則「ゴールホールディング」「タスクワーキング」「フィードバッキング」に違いがあることがわかりました。

「ゴールホールディング(目標を握り続ける)」は、「ゴールセットアップ(目標設定)」に対抗する考え方です。設定するだけでなく、常に変化に対応して、目標を握り続けること。成果を残すチームは、チーム全員が達成したいと思えるような目標をもち続けています。

「タスクワーキング」は、動きながら課題を探し続けること。ビジネスの問題は、やってみないとわからないことが多い。やってみて振り返って、解くべき課題を再設定することの繰り返しで、ようやくチームの課題を解決できる。一つの目標に固執すれば、誰にも感謝されない課題を解くことになり、メンバーも緊張感がなくなって「社会的手抜き」が起きたりします。

「フィードバッキング」は、お互いに言いたいことが言い合える環境で、フィードバックをし続けること。強いチームは、お互いのタスクや行動が本当に機能しているかをフィードバックし続けています。言いたいことを言ってもリスクにならない、ある種の心理的安全性が必要で、長くなっても面倒がらずに続けることが肝要です。

文=成相通子

リーダーシップ

PICK UP

あなたにおすすめ