岡本:なるほど。そんなふうに、プレゼンの際は、まず、バンズについて話し、その後、バンズを外してフィリングを見せて、「では、この3つのフィリング(ポイント)についてお話ししていきます」と前置きをするといいと思います。パワポのスライドに1枚ずつ、それら3つのポイントを大きく書くといいでしょう。
「デミ・グローバル」でいっそアメリカ人になれ!
岡本:さて、鹿田さんのモチベーションとしては、ご自身のメソッドを「布教」して、みんなに自信を持たせ、幸せになってもらいたい! がありますよね? 相手にとって役に立つ情報なのですから、遠慮する必要はないわけです。おずおずと、「話をさせていただく」というよりは、自分は「皆さんを幸せにするメッセージ」を天から預かって、相手にgiveしているんだ、というマインドを作る。そのためには素の鹿田昌美ではなく、「メッセンジャー」としての鹿田昌美になりきりましょう。
鹿田:なるほど。本の推薦者がこれは「鹿田メソッド」と呼んでもいい、と言ってくださったのですが、この推薦の言葉も話に入れたいです。
岡本:それはいいですね。とくに日本人、とりわけ女性は、あまり偉そうにモノを言いたくない、目立ちたくない、という傾向がある。でも、自分がこれから伝えることを求めている人たちはきっといる、「その人たちのために」話すのだ、という使命感があれば、それで体がぐっと押し出されて、もっと堂々とできるはずです。
鹿田:それからこの本では、エリート層の、お金がある方ではなく、ごく一般の日本のご家庭でここまでできることを伝えたかったんです。「CD1枚」でできる学習法があることをお教えしたかった。もしかするとこのメソッドのウリは、「自宅でできる」以外に、「(限りなく)コストゼロでできる」ことかもしれません。
岡本:本の「説明」をしてください、と言ったときには出てこなかった情報がどんどん出てきましたね。自己紹介のときと同様、最初は本の「背表紙」だったのが、「表紙」が見えてきました。
「説明」ではなく、メッセンジャー、エバンジェリストとして「プレゼン」するメンタリティを意識すると、話す内容自体もそんなふうに盛り上がって、充実してくるんです。
「みなさんがハッピーになるメソッド」という意味では、鹿田さんは聴衆に「贈り物を差し出している」。そもそもプレゼン、つまり「プレゼンテーション」の語義は、贈呈する、授与する、です。それを考えれば、絶大な自信を持って、自然なノリで、大きなジェスチャーで話せると思います。
経営者の方々にいつも言っているもうひとつは、「自信をもつフリをする」と本当に自信が持てるということです。「Fake it till you make it.(本当にそうなるまで、フリをしていろ)」です。
「デミ(ハーフ)・グローバル」。これは私の造語ですが、グローバルとドメスティックの中間くらいの属性のことです。日本にいて、英語を使う仕事をされている鹿田さんのステイタスはまさにこれではないでしょうか。繰り返しになりますが、もし、「女・桜木」以外に、鹿田さんの中に別人格、英語をしゃべる「別ペルソナ」があるなら、そのペルソナを引っ張り出してかぶるといい。
プレゼンのときはぐっとグローバル側にペルソナを寄せて、「盛って」いくんです。半分アメリカ人になるくらいの気持ちで。やりなれるとだんだんいやらしくなくなってくる。これは本当です。