Fighting Pseudoscience

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心房細動は、米国と欧州で最も一般的な心臓不整脈の一種で、毎日数百万を超える人が影響を受けている。

心房細動とは、心臓が通常と比べて不規則かつ非効率的に鼓動する状態のことだ。一部の人は心房細動を経験してもそのことに気づかないが、これは重大な病気だ。米国だけでも、心房細動で入院する人は毎年約75万人に上ると見積もられている。

心房細動の原因は完全には理解されていないものの、カフェインの取り過ぎが引き金となる可能性があると広く信じられている。米国心臓協会(AHA)のウェブサイトは「朝のコーヒーを飲まないなどシンプルな行為で、心房細動を避け、その後の発作のリスクを減らすことができるかもしれない」と述べている。

同ウェブサイトはそれから、ベータ遮断薬やカルシウムチャンネル遮断薬などより大々的な治療について説明しているものの、コーヒーを断つというアイデアは非常に魅力的に見える。

しかしこのアドバイスは、少なくとも男性には当てはまらない。

米国心臓協会ジャーナル(Journal of the American Heart Association)が2019年に発表した研究では、ハーバード・メディカル・スクールの研究者らが、長期的な医師健康調査(Physicians’ Health Study)に参加した1万9000人近くの男性から集めたデータを分析した。研究者らは男性の間で、1日に飲むコーヒーの量を0杯から4杯以上として心房細動のリスクを調査した。

それによると、意外なことに1日1~3杯のコーヒーを飲んでいた男性は全く、あるいはほぼ全くコーヒーを飲まなかった男性と比べて心房細動のリスクが15%低かった。また、リスクはコーヒーの摂取量が1日1.5杯のときに最も減少し、量的効果もわずかではあるが示され、コーヒーの摂取量が4杯以上になると効果は薄くなった。

ライアン・アレオンとアムニート・サンドゥは研究と一緒に発表された解説で、コーヒーには心臓血管に効果をもたらす可能性がある成分がいくつか含まれていることを指摘した。しかし2人は、この効果はせいぜい控えめなものでしかないことも補足している。

翻訳・編集=出田静

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