ビジネス

2021.06.27 07:00

中国の大手VC「GGV」が見据える香港株式市場のポテンシャル


勢いを増す香港証券取引所


大手のプラットフォームやアプリが大きなシェアを握る中、投資家はデジタルトランスフォーメーションが新たな領域で進展し、投資機会が生まれると考えている。「コンシューマ向けでは、数少ないスーパーアプリによる寡占状態となっており、新規参入は困難だ。一方で、スーパーアプリには独禁法規制の圧力が増すだろう。もはやプラットフォーマーは競合サービスと取引する取引先企業を排除することができない」とFooは話す。実際、中国当局は今年、アリババに独禁法違反で28億ドルの巨額の罰金支払いを命じた。

「過去20年間は、コンシューマ向け事業が中心だったが、これからの20年間はエンタープライズ向けやクラウドの事業にシフトし、中小規模の企業がリードしていくだろう。彼らはより賢く効率的なマシンを使い、データを用いてデジタルに事業を運営する必要がある。これが将来のトレンドであり、投資家が資金を投じる領域だ」とFooは言う。

香港証券取引所は、ここ数年のIPOラッシュで大きな利益を得ている。先月、長年JPモルガンで重役を務めたニコラス・アグジンが初の外国人CEOに就任した同取引所は新たなステージを迎えた。

「香港市場は大きな発展を遂げた。10年前は、テック企業にとって米国市場に代わる有力な上場先としては考えられていなかった。しかし、今では上場ルールの変更などによって企業にとって魅力が高まった」とFooは話す。

地政学リスクにより、米国市場に上場するリスクは高まるかもしれないが、ファンドマネジャーは優れた中国企業に対しては、投資を検討するだろう。「彼らはステークホルダーに対してリターンを提供しなければならず、常に優れた投資対象を探している」とFooは述べた。

編集=上田裕資

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