Venture Capital

Mix and Match Studio / Shutterstock.com

かつて南米のフードデリバリー分野のユニコーン企業「Rappi」に務めていたファビアン・ゴメス・グティエレス(Fabián Gómez Gutiérrez)は、コロンビアのフードサプライチェーンを熟知している。

現地の農家で育った彼は、Rappiに宅配を頼むレストランが1キロの果物を1ドルで購入しているのに、中間業者の取り分が多いため農家が受け取る金額が30セントに過ぎないことを不満に感じていた。

そこでグティエレスは、レストランと農家の間の道のりを短縮し、双方にとってより良い価格を実現する方法があるはずだと考えた。彼が立ち上げた、レストランや小売店が生産者から直接、作物を購入できるB2Bマーケットプレイスの「Frubana」は、パンデミックの最中でも拡大を続け、シリーズBラウンドで6500万ドル(約71.3億円)を調達した。

今回のラウンドは、GGVキャピタルのハンス・タンが主導し、ソフトバンクやタイガー・グローバル、モナシーズなどの既存出資元に加え、新規でLightspeed Venture Partnersが参加した。

タンは2019年のシードラウンドからFrubanaに投資しており、その頃グティエレスに初めて出会った彼は、東南アジアのスーパーアプリGrabの創業者であるアンソニー・タンを思い浮かべたと話す。

「Frubanaは、レストランに向かう食品やモノの流通を可能な限り効率的にしようとする企業だ」とタンは言う。「彼らが扱うアイテムは食品に限定されず、時間の経過とともにより多くのエリアに広がっていく」

昨年、パンデミックが発生したとき、レストラン業界は大打撃を受けたがFrubanaは事業を縮小する代わりに、2030年に向けてのビジョンを設定し、そこに到達するための計画を立てたという。同社は人員削減は行わず、技術チームの規模を3倍に拡大し、より多くのレストランをプラットフォームに招き入れ、取り扱い品目を拡大した。

立ち上げ当初は、野菜と果物が90%を占めていたが、昨年から他のカテゴリーにも進出した結果、Frubanaは提携レストラン数を6倍に伸ばし、売上を3倍に伸ばしたという。

Frubanaは、ギグエコノミーで働くトラックドライバーを雇用し、注文をまとめて輸送することで環境への負担を軽減し、サステナビリティを高めている。同社は現在、メキシコシティやボゴタ、サンパウロで事業を展開しており、近い将来にこれらの国の新たな都市に事業を拡大する計画だ。

資金提供プログラムも立ち上げ


決済企業のスクエアはSquare Capitalと呼ばれる資金提供プログラムで、加盟店を支援しているが、Frubanaも同様なスキームで、レストランに運転資金を提供する計画だ。このプログラムはまだ試験段階だが、年内にさらに拡大する意向という。

「ラテンアメリカのフードサプライチェーン分野で、Frubanaは最も優れたサービスを提供し、最も進歩的だ」と、GGVキャピタルのタンは話す。「欧州やアジアからこの地域を目指す新しいプレイヤーたちはまず、Frubanaに声をかけている。私たちは彼らのビジネスと効率性を高く評価しており、素晴らしい未来があると信じている」と、タンは続けた。

編集=上田裕資

PICK UP

あなたにおすすめ