I teach the science of attracting high-paying clients.

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次の場面を想像してほしい。見込み客がこちらからの質問に答え、自分が抱える課題を明かしてくれた。あなたは次に、何をすべきか?

答えが「詰めの交渉に入る」なら、間違いだ。大口顧客を獲得するには、もっと良い方法がある。

真っ先に売り込みはしないこと。その代わり、こちらが相手の話をしっかり聞いていることを示そう。これは、対面での営業を3万件以上経験してきたセールスコーチからのアドバイスだ。

営業コンサルタントのジョー・パロはこう語る。「私は何年も前から、見込み客の要望とその理由を自分の言葉で繰り返し、相手に確認するようにしている。これにより話の内容を明確化できただけでなく、それ以上の成果があった」

大口顧客を獲得したければ、月並みな営業マンのままではいけない。これは、自分がただのセールスマンだとみられることを嫌うベテランの営業担当者やコンサルタントにとっては当たり前のことだ。

パロによれば、売り込みをする前に見込み客の言葉をこちらが繰り返すことで、以下の効果が得られた。

1. 相手の話に耳を傾けていることが伝わった。
2. 相手が重要な存在であることを示せた。
3. 自分が相手の味方であることを示せた。
4. 相手が頭の中で自分の考えを確認できた。
5. 購入意欲を促す雰囲気を作れた。
6. 見込み客の自分に対する好感度が上がった。
7. 「押し売り」的な雰囲気が完全になくなった。
8. 自分が相手を理解していることを示せた。

これらはいずれも、相手と信頼関係を築き、受注率を上げるのに大いに役立つものだ。

「こちらが売り込みたいものでなく、相手が欲するものを売れたというのが一番重要だ」とパロは言う。「見込み客からはよく、“あなたは私が思っていることを自分よりうまく言い表してくれた”という言葉をもらった。売り込みも始めていない段階で、これは素晴らしい立ち位置だ」

パロは、長年のセールス経験がある。大学時代には、テネシー州ナッシュビルのサウスウエスタン・カンパニーで書籍の訪問販売をして、学費を稼いだ。その後、トム・ジョーンズ・カンパニーでセールストレーナーとなり、多くのスタートアップや家族経営企業との仕事を通じて経験を積んだ。

2017年には、自身の企業セル・ナッシングを立ち上げた。社名は、「何も売り込まない」という意味だ。パロはセールスコーチとして、営業の基本原理の理解と実践を指導している。

編集=遠藤宗生

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