バスキアの「Warrior」と題された絵画は、剣を持ってまっすぐに立つ男性を描いている。
この絵画の落札額は、昨年香港で約2760万ドルで落札され、その当時アジアのオークションで最も高額な西洋美術作品となったドイツのゲルハルト・リヒターの抽象画「Astraktes Bild (649-2)」の価格を大きく上回った。
クリスティーズが昨年12月に香港で開催したオークションも成功を収めており、現地のアート愛好家の間では、西洋の現代アートの需要が高まっている。
アートバーゼルが先週発表した、世界の美術市場に関する年次レポートによると、昨年はパンデミックの影響で世界のアート作品の売上が急落した一方で、アジアの富裕層の高額作品の購入は驚くほど堅調だった。今回のオークションの結果も、ハイエンドの西洋アート市場でアジアの顧客がいかに重要であるかを示すものとなった。
昨年は、中国が米国を抜いて世界最大のアート市場となったことも報告されている。
バスキアの「Warrior」は1982年の作品で、この年は彼のキャリアの中でも最高の年として知られている。バスキアはその同じ年に、「Untitled」を完成させたが、この作品は2017年に日本の富豪の前澤友作に1億1050万ドルで落札され、米国人アーティストの作品の中で最も高額な作品となった。
Art Newsによると、バスキアの最も高価な絵画10点のうち、9点は1982年に完成したものだという。ニューヨークのブルックリンで生まれた、ハイチ系米国人であるバスキアの絵画は、ジェイ・Zやエルトン・ジョン、レオナルド・ディカプリオ、エレン・デジェネレスなど、多くの著名人のアートコレクターに愛されている。