イマドキの中高生はタイムリーな時事問題にも敏感
続いて、「最近気になったニュースや社会的問題について教えてください」という質問をしたところ、「コロナの感染者数」、「コロナのワクチン」、「オリンピックの開催について」など、コロナ禍ならではの話題に関する声が多く集まりました。しかし、それ以上に多かったのが、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の元会長、森喜朗氏の発言に関してです。
●「森さんの女性差別発言」(社会人)
●「森喜朗元会長の女性差別発言」(大学生)
●「森喜朗元会長の発言をはじめとする男女差別」(高校生)
●「女性蔑視発言」(高校生)
●「森喜朗さんの発言」(中学生)
本アンケートを実施した期間に起こったタイムリーな話題だったこともありますが、中学生から社会人まで、幅広い世代が強い関心を寄せていることが見て取れます。中学生や高校生までもが、女性差別といったセンシティブな時事問題に興味を持っているというのは、政治や社会問題への関心が薄いと思われがちな現代の若者のイメージとは少し違った印象を受けるのではないでしょうか。
このひとつの要因として、インターネットやSNSなどの情報網が発達したことが考えられます。というのも、新聞やテレビのニュースを見ていなくても、今社会で話題となっている問題に関する情報を仕入れやすくなっているからです。特に、Twitterやブログは匿名で利用する人の割合が多く、人に対して激しい批判を書くことの心理的抵抗が少ないため、今回の森喜朗元会長のような発言は攻撃されやすく、あっという間に拡散されてしまいます。そのため、若い子たちの目にも触れる機会は多かったに違いありません。
また、同じく情報網の発達により、SNS上で「#MeToo運動」や「#KuToo運動」などのハッシュタグを目にする機会もあったはずです。つまり、「ジェンダーギャップ」という社会問題を知る機会が多かったことも影響していると考えられます。
さらに、「学生たちの間で、SDGsがこれほどまでに認知されているのはワケがある」でも紹介したように、2020年度から文部科学省が提示する学習指導要領が改訂されたことに伴い、各教科において教科書のさまざまな箇所でSDGsについて触れられています。SGDsの目標の中には、「ジェンダー平等を実現しよう」という目標も設定されており、教育現場でも「ジェンダーギャップ」について知る機会があったはずです。
このような背景もあり、若い世代の間で、もともと女性差別問題に関する感度が高まっていることも、今回の回答に反映されているのかもしれません。
より素敵な将来を目指して。前向きな気持ちで努力するMERY世代の女子たち
以上のように、ジェンダーギャップの問題や、コロナ禍も相まって先行き不透明な未来を憂い、自分の将来について不安を感じているMERY世代の女の子たち。そんな不安が募る将来に向けて、「今、実際に行っている自分への投資」について聞いてみました。
● 未来のために実際に実行している自分への投資をすべて教えてください。
アンケートの結果を見ると、「何もしていない」という回答は15.3%にとどまり、MERY世代の女子たちは、何かしら自分の将来のために投資している傾向にあることがわかりました。
回答の多かったスキルアップや資格、習い事の内容について具体的に聞いたところ、世代を問わず、「簿記」や「ファイナンシャルプランナー」、「TOEIC」や「英検」など、就職や転職、仕事を続けていく上で有利に働きそうな資格取得に向けて励んでいるという回答が多く寄せられています。