また、社会人だけに絞って見ると、「金融商品への投資を始めた」という回答も約3割となっています。実際に、楽天証券株式会社の2020年12月期の決算説明資料によると2020年は、ネット証券各社は大きく口座数を伸ばし、1年で約133万口座の開設があった楽天証券をはじめ、SBI証券でも80万口座の開設を達成。特に、20~30代の若年層の投資参入が目立ったようです。
「お金を使わない若者が増えている」といわれる中、なぜMERY世代の女子たちは、資格の取得や金融資産への投資には積極的にお金をかけ始めたのでしょうか。
投資に関していえば、『つみたてNISA』といった商品の登場により、場合によっては月々100円からでも投資をスタートできるといった手軽さが、若い人に馴染みやすかったという理由があると考えられます。
しかし、資格の取得にも力を入れ始めていることを考慮すると、最初にお伝えしたように、将来に対する不安が大きくなっているからこそ、その不安を少しでも払拭しておきたいという堅実な想いが、自己投資の理由に大きく影響しているのではないかとMERYでは考えました。
ところが、将来のために投資している理由についての回答は、その予想を裏切り、前向きな理由のオンパレードとなっていました。
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●「歳をとることを辛い、悲しいと思うような自分でいたくない。歳をとっても楽しい人生を過ごしたいから」(社会人)
●「今より自分を好きになれるように」(社会人)
●「いくつになっても自分を好きでいたいから。成長しない人生はつまらない」(社会人)
●「後悔したくないから」(大学生)
●「自分には目標があり、それを達成するため」(大学生)
●「努力の先にある将来のことを思い描くとワクワクして楽しいから」(高校生)
●「将来の自分の選択肢を増やすため」(高校生)
MERY自体がかわいくなりたい女の子のためのサービスであり、基本的に前向き思考な読者が多いがために、今回の回答者もポジティブな人が集まったというのはあるかもしれません。もちろん一般的には、「将来が不安だから」というネガティブな理由で投資や資格の取得に力を入れているという人も多くいるでしょう。
しかし、今回の回答にあるように、ネガティブな理由から一歩踏み出し、将来の不安を払拭するだけでなく、「今後の人生をより充実させるために」と、ポジティブな気持ちで自己投資に挑んでいるイマドキ女子たちがいることも事実です。
これは、「いい化粧品でスキンケアを行う、美容家電を買う」という回答が多かったことにもつながっていると考えられます。
経済的に大きな盛り上がりもなく、団塊の世代のように、荒波を乗り越えての大きな高揚感を得ることもなければ、これからの未来にあまり希望も見えない。そんな時代だからこそ、せめて自分だけはポジティブに楽しく生きていきたいというのが、MERY世代女子たちの本音なのではないでしょうか。
そして、そのために資格取得や投資、スキンケアの見直しといった行動を実際に起こし、前向きに努力している彼女たち。高級ブランドの洋服やアクセサリーなど、今の自分を満たしてくれるものよりも、利益が将来の自分に還ってくるような商品やアイテムを求める傾向は、より一層強まっていくのかもしれません。
連載:MERYから見たU25の女の子の「今」
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