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近年、ビジネスマンにも「哲学」が必要だという認識が広がっている。筆者も拙著『直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~』(ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス刊)の中で、ヘーゲルの弁証法をどのように実践に生かすかを紹介した。

さらには、大学入試をはじめ、入試問題に、「正解がない」記述問題が増えていることから、教育分野でも「哲学」が注目されているという。フランスでは受験の必修科目に「哲学」があるように、日本でも、とくに世界を相手に仕事ができる人材育成のために哲学を取り入れることを考える傾向があるというのだ。

今回はフランスで国際事業経営コンサルティングやグローバルリーダー育成教育などに携わる永田公彦氏を迎え、フランス人が哲学とどう向き合っているのかをうかがい、グローバル人材がなぜ哲学を必要としているのかについて話し合った。

フランスでは受験の必修科目に「哲学」がある


阪原:さっそくですが、永田さんはフランスで長いこと人材教育などに関わっていらっしゃいますが、フランスが日本やアメリカと違う点はなにかありますか?

永田:フランスは世界に先駆け市民の力で自由と民主主義を獲得した国です。なので、国民の多くがこのふたつに強い執着と深い理解があります。考え方が成熟しているといってもいい。アメリカに自由の女神を贈ったのもフランスなんですよ。アメリカの民主主義はお尻が青すぎるという方もいるくらい(笑)。

阪原:フランス人の考え方が成熟しているというのは、どういうことでしょう。


Nagata Global Partners代表パートナー・INALCO(フランス国立東洋言語文化大学)非常勤講師 永田公彦氏

永田:たとえば、自分の考えを持った人が多いということです。自分の考えを持つには、いろいろと考えたり調べたりして、思考を作り上げていく必要があります。それが合っているか間違っているかは、あまり気にしない。もともと「正解はない」という前提があるのです。なぜなら、小学校や中学校のときから、「世の中には正解がない」というふうに教わるからです。さまざまな角度から物事を捉え、「人と同じことを考えちゃダメ」と言われている。自分なりの考えを作って、それを人に伝えて議論しなさいという。

阪原:小さい頃からの教育ですね。

文=阪原淳

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