第1話はこちら
*情報は2019年3月現在のものです。
遺伝子解析サービスの設計図
──遺伝子情報というビッグデータをもとにしたサービスを展開されています。ビッグデータ分析ビジネスを展開する上でのポイントをお聞かせください。
「データを使って何をやるのか」を最初に明確にすることが大切だと考えています。
私たちの場合、遺伝子や健康データといった「生体データ」を集めることで「生命の法則性を見つけ、活用する」ということをやっています。
例えば、「糖尿病経験者はこの遺伝子を持っている」といった法則性を導くことができれば、その遺伝子を持っている人の生活習慣に介入し、糖尿病予防に活用できるかもしれません。
ユーザーがお金を出すのは「データ」自体ではなく、データを使ってやる「何か」です。そのゴールを明確にしてからデータ分析を設計することが大切です。
──まずは多くのデータを集め、どのように使えるかは後で見出す、といったケースも多いようにも思います。
私は大学院時代、ゲノムのみならずあらゆる生体ビッグデータを集めて解析し、疾患の研究をする「バイオインフォマティクス」を専攻していました。
その現場でよくあったケースが「データを集めてみたものの、どうしたらいいかわからない」というもの。「何に活かすためのデータか」が定義されていないまま取得したデータは、ただのゴミになってしまうことも多いのです。
私たちはデータを集めるより先に、「遺伝子情報を後追いできる仕組み」から設計しています。その設計があるからこそ、無駄なくデータを集め、研究にも活かすことができているのだと思います。